作成:2000・02・22

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCタクマー 135mmF3.5 の思い出

 ESIIの修理が完成したころ、毎週行く本所の出張先の近くに中古カメラ屋さんがありました。中を覗いただけで帰るのも失礼なので、SマウントのケンコーMC6を買いました。このテレコンバータを標準レンズに付けて撮影したのですが、相性は最悪で、ズーム露光をしたような状態になります。さらに、6枚のレンズの内、何枚かは既に白濁しており、ヌケが悪いのでそのままにしておりました。
 その後、のウインドーに8千5百円のSMCタクマー135mmF3.5があるのを見つけ買ってしまいました。外観は相当くたびれており、正規のメタルキャップもありません。

 

 SMCタクマー 135mmF3.5 の印象

 スーパータクマー135mmF3.5は、高校時代の級友に、ペンタックスSVとともにいつも貸してもらっていた懐かしいレンズです。
 ESII に付けて使用した第一印象なのですが、このSMCタクマー135mmF3.5で撮影してみると、スーパータクマーより格段によい写真が撮れます。解像力や階調が見違えるほど改善されており、カラーバランスもよくなっています。見た目の描写は、さほど鮮明ではありませんが、絞りを開けて撮った場合でもコントラストが低いということはなく、ボケ味も綺麗な素直なレンズになっています。しかしながら、後になって、スーパータクマーをESIIに付けて使用してみると余り差がありません。。。SVとESIIのミラーボックスの内面反射の違いに起因していたと思われます。。。ごめんなさい。m(__)m。
 よく売れたレンズなので、たびたび改良が重ねられたのでしょう。外観が同じレンズとは思えないほどの進歩です。135mmの望遠レンズですから最短撮影距離が1.5mでも不満はありません。
 革ケースは中古ケースのなかから買って来ましたが、金属製フードは中古フードのワゴンにはほとんどありません。委託販売の艶有り塗装の古いタイプのフードとレンズキャップを買い足しました。ペイントの剥げた所は目立たぬようタッチアップしました。
 しかし、後日、ケースとキャップとフードの付いたデッドストックの新品が、どこのお店でも格安価格で多量に出回った時には多少がっかりしました。

 

 系譜

 開放測光対応のSMCタクマー135mmF3.5は、スーパータクマー135mmF3.5が原型で、1971年に登場しています。1976年にKマウントのボディが登場しても、若干の間Sマウント用のアクセサリー類と共に併売されていました。デッドストック品では、最後のSMCタクマー135mmF3.5なのでしょうか、メタルキャップではなく樹脂キャップの付いたものを見たことがあります。
 なお、Kマウント化にあたっては、最小絞りがF32となりフィルタ枠が52mmとなったのですが、直ぐにコンパクトなMレンズが登場しています。

 

 その他

 尚、このケンコーMC6のほうですが、オリンパス用の研究品のケンコーMC6を分解し、濁りの程度を比べながら、良いほうのレンズエレメントを使って再組み立てしたところ、レンズを覗いても濁りは気にならない程度になり、撮影した写真のヌケも相当よくなりました。

ケンコーテレプラスMC6

外観の2XAPEはペンタックスES用の意味でしょう。
すなわち、SMCタクマーレンズ専用という意味で開放測光に連動します。
MC6はマルチコーテングされたレンズエレメントが6枚の意味で、ほかにMC4もありました。


追加のページがあります → ここ
気になる スーパータクマー 135mmF3.5

追加のページがあります → ここ
植毛紙いらずの 前期型 タクマー135mmF3.5



 自分のばかさ加減に後悔するのですが、歩き回っても欲しいものがなかった時は何も買わずに帰るのは失礼ですし、逆に欲しいものの程度が良かったとか安かった時などは、お礼しなくちゃと気が大きくなってしまい、アクセサリやどうしようもない研究品で散財をしてしまいます。小物のアクセサリ捜しを楽しんだお代として割り切っています。

 


 

   

 更新日 :2019・10・07.
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