作成:2019・10・07

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


気になる スーパータクマー 135mmF3.5


左:切替レバーがM/A、F4表示あり  右:切替レバーがMAN./AUTO、F4表示なし
どちらも後期型のスーパータクマー 135mmF3.5 [43541]

 開放側光に対応するSMCタクマー 135mmF3.5に満足して、スーパタクマー 135mmF3.5は同等以下のレンズという認識でした。ですから、ずいぶん長い間、あえて、スーパタクマーに手を出そうとは思いませんでした。  
 SMCタクマー135mmF3.5レンズ収集熱がひと段落した2005年の夏に、ネットオークションで見つけたスパータクマー135mmF3.5がなぜか懐かしくて、1000円で譲って頂くことにしました。一通り清掃はしたのですが、仕事のほうが忙しくなってきて、そのまま忘れていました。ずいぶん経ってからなのですが、スパータクマー135mmF3.5の些細な相違が気になって集めたサンプルが増えてしまいました。


絞りリングが並目ローレットです。前期型のスーパータクマー 135mmF3.5 [43540,354]

 しかし、タクマー光学系が変更前の4群5枚のものを抑えておかなければという妄想に囚われてしまいました。追加ページの前期型タクマー135mmF3.5が、古いレンズにも拘わらず、意外と良い描写なので感激したからです。
 集めたサンプルがみな4群4枚という状況になり、ちょっとお高かったのですが、フード、キャップ類、ケース付きの美品を、3500円で譲って頂くことにしました。

 

 スーパータクマー 135mmF3.5 の印象

 スーパータクマー135mmF3.5は、とても懐かしいレンズですが、ESIIに付けて、このSMCタクマー135mmF3.5で撮影してみると、SMCタクマーより格段に劣る写真になるはずでした。しかし、みた目の描写では、予想に反して解像力や諧調などはSMCタクマーと差がなく素直な描写のレンズでした。
 SVとESIIの内面反射の違いに惑わされていました。ちなみに、お手入れしたSシリーズボディの、ほぼ全てミラーボックス内に植毛紙で対策してきました。
 なんということでしょう。。。SMCタクマー135mmF3.5のページは、誤った先入観がそのまま記載されたままでしたので、お詫びするとともに今回訂正させて頂きました。
 スーパータクマー135mmF3.5には、前期型と後期型があり、後期型には外観などの進展があり、微妙に違うものをネットオークションなどで入手して確認しました。。。恥ずかしながら少しハマってしまいました。

 

 系譜

 スパータクマー135mmF3.5は、ボディの完全自動絞り対応に比べれば少し遅れていますが、1963年にAuto-タクマーと交代して登場し、開放測光対応のSMCタクマー135mmF3.5が1971年に登場するまで供給されています。その間に、いくつかの設計変更が加えられており、研究本によれば、1965年に光学系が4群5枚から4群4枚に変更されています。最後群の貼り合わせレンズがシングルレンズになっています。
 比較的大きな変更なので、一般には前期型、後期型と分類されます。公称の重量は、350gから325gへ少しずつ軽量化されていますが、手にとって判る重さではありません。一目瞭然なのは、前期型は絞りリングが円周上の連続した平目のローレトですが、後期型はヘリコイドリングと同様の指掛りと断続したローレットになりました。

 後期型には、生産時期の推移により、時期とともに外観から判別できる変更点がいくつかあります。後期型となった後、S/N:101万番台〜189万番台では、絞りの値は3.5と5.6の間の4の表示があります。S/N:189万番台〜190万番台から、絞り羽根が逆になって、絞りの値の4の表示が無くなっています。そして、S/N:191万番台〜400万番台から絞込みレバーは「A」と「M」表示から「MAN.」と「AUTO」に変化しています。公称の重量も343 grから320 grに軽量化されています。
 絞りが前後逆に組立てられて、絞り羽根のしっぽが正面から見えなくなりました。生産性改善か部品共用化かは判りませんが、絞りを前後逆に組み立てるには構造も変更を伴いますから、プロダクトNo.も変わってもよさそうですが、3540 3541の違いは、前期型と後期型の光学系の違いとされています。
 上記のS/Nに関しては、一定期間にネットオークションに掲載された写真から判断したものですので、過度期には前後するものが存在しており、あくまでも参考です。
 レンズカタログは「MAN./AUTO」レバーでF3.5 4 5.6表示のものが掲載されていたりするのですが、カタログ用のフェイクかなぁ。。。

 光学系が4群5枚構成の前期型のスパータクマー135mmF3.5なのですが、生産時期が古いので、ネットオークションに出ているものは、外観の痛みが進んでいるものが多くて躊躇していました。これで最後という思いで、良好なものを譲って頂きました。4群5枚だからと言って、何か一味違うというものではないのが残念です。こちらは、S/N:100万番台までとなります。


左:古いものの絞り羽根  右:新しいものの絞り羽根
3枚の前群レンズ越しだと判かりにくいので、モロお見せしちゃいます


左:切替レバーがM/A、F4表示あり  右:切替レバーがMAN./AUTO、F4表示なし


左:後期型、絞りリングに指掛りがあり  右:前期型、絞りリングが並目ローレット
距離表示の文字の大きさも異なります

 

 その他

 どうでもいい相違なんですけど、レアかもと思うとついつい手を出して散財してしまい、自分のばかさ加減を後悔するだけです。
 毎度のことですが、笑ってけろ〜。

 

 


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 更新日 :2019・10・07.
 Product Code 43541,43540