作成:2001・06・15

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCタクマー 120mmF2.8 の思い出


タクマーレンズらしい古めかしいデサイン

 SMCタクマー120mmF2.8は、もともと生産期間が短く、人気も無いレンズでしたが、最近は変な焦点距離として話題になるためか、Kマウントのものは人気です。ただし、Sマウントの120mmF2.8はお宝レンズの対象にはならないようで、中古カメラ屋さんでも105mmF2.8に色を付けた程度の値段です。
 生産量が少ないことは確かなようで、SMCタクマー120mmF2.8は、ネットオークションでも年に2〜3回しか出品されないようです。でも、続けざまに出ることもあります。2万2千円まで張ってみて断念した数日後、SMCタクマー120mmF2.8と標準レンズ(参照)がジャンク品として出されました。外観はかなり汚れていますが鏡胴までは腐蝕しておらず、光学系も致命的という訳ではなさそうなので、2本のレンズを譲って頂くことにしました。
 清掃してみると外観のスレはすこし目立ちますが、動作に異常はなく、光学系はホコリもカビ跡もないきれいなものでした。

 後日談があります。それから半年ほど経ってからネットオークションで、「外観、光学系とも美品」という120mmF2.8を1万4千円で譲っていただくことになりました。120mmF2.8はそれなりに希少なレンズなので、自分1人で2本持っていることはすこし後ろめたい気がします。

 SMCタクマー 120mmF2.8 の印象


 理屈では、120mmという105mmも135mmのちょうど中間の焦点距離は、ほんのちょっとの差しかありませんので、望遠効果や大胆なフレーミングを狙うなら135mm、明るさや、最短撮影距離、コンパクトさといった実用性を重視すれば105mmとなり、120mmの存在価値はほとんどないということになります。逆に云えば、地味な存在ながら120mmF2.8は105mmF2.8と135mmF3.5の良いとこ取りをしたお買い得の製品であることが判ります。しかし、この真面目で地味なキャラクターが裏目に出てしまったようで、アサヒのユーザーには全く受けませんでした。
 今となっては、105mmも135mmも凡庸な画角でなかなか使う機会が少ないのですが、この120mmは新鮮です。試写をしてみて、このレンズが「質感描写で芸をする」のにはびっくりしました。魅力は画角ではなく、現代の尺度で評価しても秀逸な「質感描写」です。
 逆光時のフレアと、抜けの良さは、SMCタクマー105mmF2.8より格段にレベルが向上しています。ボケも素直できれいですっきりしています。撮影が楽しくなる「タクマーレンズらしさ」は、かなり高得点です。
 最短撮影距離は、1.2mで不満はありません。最小絞りは22までです。


 系譜


 1972年1月に発売されたのですが、105mmF2.8より9mm長く、新製品にも係らずスリムでちょっと古めかしいデザインの望遠レンズです。新製品案内には「質感描写のすばらしいユニークな万能望遠レンズ」と謳っており、「色収差とレスポンス」を追求していると書かれていますが、30年前の大部分のカメオタには何のことだか判りません。
 そのままフィルタ径を52mmに仕立て直してKマウント化されましたが、すぐにフィルタ径49mmのMレンズのは120mmF2.8が新設計で登場しています。ですからKマウントのK120mmF2.8は密かなお宝レンズです。比較的ポピュラーなM120mmF2.8は、コンパクト化と硬い描写を追及しているそうです。いずれのKマウントレンズも最小絞りは32まで拡大されています。
 もちろん、舶来レンズでは120mmという焦点距離は、重要なポジションにあります。


 

 その他


 気まぐれで気難しい135mmF3.5に比べると、120mmF2.8は格段に扱い易いレンズです。光学系の構成は105mmF2.8とよく似た兄弟です。質感描写という点では、この120mmF2.8は現代でも充分通用するレンズではないでしょうか。



左からSMCタクマー150mmF4、135mmF3.5、120mmF2.8、105mmF2.8

 


 

 
   

 更新日 : 2004・11・08.