作成:2019・10・07

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


植毛紙いらずの 前期型 タクマー135mmF3.5


スリムな望遠レンズ

 2003年の夏のことです。ちょうど、ザ〜さんのペンタックスS2のシャッター幕の張替えをしていたころです。ネットオークションで、バックキャップ(レンズマウントキャップ)が、アルミ製ということに惹かれて、このプリセット絞りの135mmF3.5を、2000円で譲って頂きました。手にしてみるとフィルタ径は49mmではなく46mmで、古いものであることが分かります。絞りの中間クリックなしで、距離環は、Feet(白)とMeter(白)併記のタイプで、最短撮影距離は、2mとなっています。銘板リングは 1:3.5/135ではなく1:3.5 F=135mmと記載されているタイプです。
 ザ〜さんが、3枚玉のTakuma 100mmF3.5の写りにとても感激していたのを思い出しました。この135mmF3.5もよく似た外観をしています。手入れの済んだS2の試写のお相手は、Auto-Takuar55mmF1.8と、この135mmF3.5で決まりです。(ここ)
46mm径のフードがあるはずですが、当時どのような仕様のものが用意されていたのか判らず、未入手です。

 

 タクマー 135mmF3.5 の印象

 コンパクトなレンズですが、真鍮製の鏡胴部品なので、それなりの重さ(300gr)を感じて、しっくりと手に馴染みます。プリセット絞りですから、鏡胴内部のスペースに余裕があり、内面反射も少ないので、鏡胴には植毛紙を貼るところはありません。
 シャッター膜も張り替え、ミラーボックス内に植毛紙も貼り終えて、お手入れの済んだペンタックスS2に付けて試写してみると、とてもタクマー度の高いレンズだと感心しました。
 (一言でタクマー度と言って申し訳ありませんが、ワタシの価値観なので。。。)


タクマー135mmF3.5とキャップ類ですが、キャップ類は非オリジナルかもしれません

 系譜

 研究本によると、Tele タクマー 135mmF3.5というレンズが、1953年〜1957年の間、アサヒフレックス用レンズとして存在していました。Sマウントのタクマー 135mmF3.5は、1957年に登場しています。アサヒフレックス用と同じ4群5枚の光学系です。現在、ネットオークションで 46mmフィルタ径の Takumar 135mmF3.5を検索してみるとバックキャップは樹脂製で、絞りの中間クリックが追加されているものが多数を占めます。生産時期の経過とともに、Takumar 1:3.5/135mmと銘が変わり、最終的に、Feet(黄)とMeter(青)の距離表示となったようです。
 研究本には、Meterだけの距離表示で、最短の撮影距離が1.8mと示されてはいるものの、繰り出し量が変わらない固体が掲載されています。ちなみにこの固体は、S/N が14万番台で、アルミ製のバックキャップです。

 そして、1961年にフィルタ径が49mmで最短撮影距離が1.5mのの後期型のタクマー 135mmF3.5となり1966年まで生産されています。Auto-タクマー 135mmF3.5が、1959年から1963年まで平行して存在しています。前期型のスーパータクマー 135mmF3.5は、1963年に同じ4群5枚の光学系で登場しています。

 

 その他

 このページは、簡単にまとめておきます。今回、スーパータクマー 135mmF3.5のページを追加しようとしたら、前期型と同じ光学系のこのレンズの思い出が甦りました。
 このモデルにも、微妙な違いがあります。そして、後期型のタクマー 135mmF3.5には前期型と後期型があり、Auto-タクマー 135mmF3.5にも微妙な違いがありますが、そこまでハマる前に正気に戻れたのは幸運でした。

 

 


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 更新日 :2019・10・07.
 Product Code 43240,324