作成:2000・02・22

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCタクマー 28mmF3.5 の思い出

ESIIに装着したSMCタクマー28mmF3.5

 いつでも買えると思っていて、後回しになってしまい、やっと買ったレンズです。高校時代の級友に、いつでも貸してもらっていたのが、ペンタックスSVとスーパータクマー28mmF3.5と135mmF3.5でした。SMCタクマー28mmF3.5はずっと欠員になっていました。迎え入れるための準備として、28mmF3.5用の専用ケースは、紙ではなく古い革のものを捜しておきました。ケース付きメタルの角型フードは新しくて程度のよいものを新宿の中古カメラ市場で買っておきました。それから1年半後、久しぶりに新橋まで足を伸ばした際に、やっとウツキカメラで買いました。
 お店では、マルチコーティングは施されているがスーパータクマー仕立てのものとSMCタクマーを奨めて頂きました。マルチコーティングのスーパータクマーというのは珍品なのでこちらもという邪念を払いつつ、ESⅡのため開放測光・自動露光の連動ピン類が整っているSMCタクマーを選びました。

 

 SMCタクマー 28mmF3.5 の印象

 もともと、スーパータクマー28mmF3.5は、しっかりした階調の鮮明な写真が取れるレンズです。SMCタクマー28mmF3.5はその資質を素直に受け継いでいるというのが感想です。少し絞って使うと、周辺光量の低下も改善され、描写も一段とクリアになります。歪曲収差はまずまずです。最短撮影距離は0.4mで、もう少しという場合があります。
 いずれにしろ、28mmF3.5は流通量も豊富なので、M42マウントアダプターなどを介して高級なボディに付けるレンズではありません。当時は小さめなボディのペンタックスに付けても少し小さいレンズですが、フードを付けるとちょうど良いバランスとなるようです。

 

 その他

 Kマウントのボディが発売された時は、多くのP・Kレンズが、SMCタクマーレンズを仕立て直してラインナップされたものです。しかし、ペンタックス28mmF3.5は、このSMCタクマー28mmF3.5とは違うレンズです。その後の28mmF2.8のレンズも、P・MレンズとP・Aレンズでは別物ですし、P・FレンズとP・FAレンズも更新されています。
 地味な短焦点レンズの改善がずっと続けられているのは、大変うれしいことで、後からのレンズのほうが性能がよいという当然のことが、買替え需要の促進のために大切です。こうして中古レンズ市場のほうも新しい中古品が供給され、循環のバランスが保たれてゆくのは、地球生態系の摂理が保たれるのと同じです。

 SMCタクマーレンズの広角レンズの角型メタルフードは、スーパータクマー時代からの遺産として引き継いだもので、大変立派です。取付け方は、被せて締め付けリングを回すようになっており、スナップオンの手軽さはありません。
 この角型フードにこだわる理由は、単にメタルフードだからではありません。PLフィルタを付けた時に、フードの中でフィルタをつまんで回せるのです。スナップオンの角型フードは、欠陥商品で、PLフィルタとの相性は最悪です。スナップオンのキャップやフードが持て囃された時期がありましたが、安直な設計不良の好例です。
 フードのケースもきれいで懐かしさもひとしお、中古カメラ市場で4千円しましたが納得です。ちなみに、M28mmF2.8は、フィルタ枠が短いので、このフードを完全に被せることができません。フィルタを付けて装着すれば安定しますが、フードに貫禄負けしてしっくりしません。

 

追加のページがあります → ここ
気になる 前期型 スーパータクマー 28mmF3.5

 


 

   

 更新日 :2018・12・24.
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