作成:2021・01・03
お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。
2022・06・11.:スパーワイド-ヘリアー 15mm F4.5 ASPH の記載追加に伴い改定
3.3 フォクトレンダーレンズ
1.ウルトラワイド-ヘリアー 12mm F5.6
2.スーパーワイド-ヘリアー 15mm F4.5
![]() スパーワイド-ヘリアー 15mm F4.5とウルトラワイド-ヘリアー 12mm F5.6を大きなヘリアーと比較 初期型のスパーワイド-ヘリアー(SWH) 15mm F4.5 ASPHは、1999年発売で、2009年にVMマウントのII 型に交代しています。レンズ構成は非球面レンズ1枚を含む6群8枚で、光学系の変更はないようです。絞り羽根枚数は10枚(偶数枚数)です。最短撮影距離は0.3mで、最大絞りは22です。本体は、径49.6x長30.7 mm、重量 105 gで、ぐい呑みサイズです。 常々、UWH 12mm F5.6 ASPH 一つというのは寂しい気がして、SWH 15mm F4.5 ASPH なども欲しいなぁと思っていたのですが、ネットオークションで25000円散財してしまいました。ファインダーなしですが、ありがたくもノーブランドのMマウント-L39マウントダプター付きで、LM-EA7には助かります。外観は、それなりの使用感で、少々スレありとのことでしたが、気になるほどではありません。 UWH 12mm F5.6 のレンズキャップ分が小さいので、SWH 15mm F4.5 は一回り小さいと錯覚します。いずれのレンズもLM-EA7にいきなり引き伸ばしレンズを付けたような格好になります。
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スーパーワイド-ヘリアー 15mm F4.5 |
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![]() スパーワイド-ヘリアー 15mm F4.5 試写(クローズアップ) |
早速、試写してみます。描写はまったく評判通りです。倍率色収差は、α7RII の等倍ピクセル画像では滲む程度で気になりません。画像センサーの画素ピッチが、200%以上になるのには暫くかかると思います。大きなゴーストはなかなか発生しません。このような小さなレンズで、対角110°の広角画像が得られるのには驚きます。
UWH 12mm F5.6 では、フィルムでも極端な周辺光量低下が気になりました。デジタルでは、周辺光量の低下が極端で、このSWH 15mm も同様です。レンズの演じる芸なのですが、強烈なパースと周辺光量の低下した写真ばかりだと飽きます。周辺光量低下は必要に応じて補正することも必要だと思います。 ところで、LM-EA7の繰出し量は4.5mmですから、レンズが触れそうになるまで寄って開けて見ました 。。。周辺が流れて崩れそうになります。繰出し量が大きいからか、周辺光量はあまり落ちません。丸ボケも観察できます。とろけるようなボケという訳にはいきませんが、質感の描写も立派です。 UWH 12mm F5.6 でも LM-EA7の繰出し量を活かした接写ができ、たいへんよく似た描写の写真になります。 このように、近接補正されないレンズで極端な接写をすると、稀にコマ収差を見ることができます。普通は発生しません。
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このSWH 15mm F4.5 は、フィルムカメラ用途では、歪曲が極めて小さく、シャープで、F4.5でもコマ収差がでないと言われています。
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![]() ![]() 中央部の描写(左)と コマ収差を発見(右) ピクセル等倍画像 (部分) |
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SWH 15mm F4.5では、屋外なら半押しAFはF11でも反応します。UWH 12mm F5.6 と違って、SWH 15mm F4.5 はMFで拡大してピント合わせをする必然性は感じませんでした。 UWH 12mm F5.6、SWH 15mm F4.5いずれも、周辺光量を補正して好みの調子にしたくなると思います。α7RII では、彩度も少し地味になることがあるので、必要なら周辺光量を補正してから彩度を上げると良いでしょう。 さらに、周辺光量の悩みに加え、α7RII でワイド-ヘリアーを使用した場合、JPG画像が、画面全体に青カブリなどが発生することが悩みです。これを、RGBヒストグラムを揃えることで、ホワイトバランスを改善させることを試み、改善効果を確認しました。 周辺光量とホワイトバランスに悩みつつ試写した結果 → ここ [2022・07・03.追加] このUWH 12mm F5.6は、フードを外してフィルタアダプターを付けて77mm径のフィルタが付けられますが、SWH 15mm F4.5 は、そんなことはできません。しかし、世の中には、何とかして67mm以上のフィルタを付ける人さえいるようです。UWH 12mm F5.6で撮影すると、周辺光量を補正に加えて倍率色収差の補正もしたくなります。SWH 15mm F4.5であれば、歪曲がほとんどなく、鮮明な写真が得られます。フィルタのこと以外、UWH 12mm F5.6とSWH 15mm F4.5の使い勝手は、断然、SWH 15mm F4.5が優ります。
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このα7RII (FW Ver.4.00)とLM-EA7(FW Ver.6.0)での動作なので、記載内容が再現しない場合はご容赦ください。このレンズを取付ける中間アダプターは、YIYOとノーブランドの Mマウント-L39マウントダプターを使用しています。 |
余 談
[メモ]
α7Rで、ワイド-ヘリアーをMFで使うなら Close Focus Adapterというヘリコイド付きのアダプターもありますがますが、そもそも、探せばEマウント版のウルトラワイド-ヘリアー 12mm F5.6があります。 なお、初期型の シグマ 12-24mm F4.5-5.6 EX DG HSMの周辺画質は超えています。現行のIII 型での改良が興味深いところです。 |
[ひとり言]
このYIYOブランドのアダプターを使った場合は、中心の指標が真上から15°ぐらいずれます。しかし、LM-EA7を含めた状態ではオーバーインフとなっているのでこのままとします。 |
[ひとり言]
魚眼画像を歪曲補正するなら → ここ [2022・06・11.追加] |
[ひとり言]
フォクトレンダーレンズは、個性を楽しむ、趣味性の高いところが一般的なレンズとは違い、人気・需要が増えているそうです。古いL(L39)マウントなら安価かと思いきや、それなりに買取価格相場よりオークション相場は高めです。喜ばしいことではあります。 世に公開されている作例写真では、UWH 12mm F5.6 とSWH 15mm F4.5 の周辺光量に関しては、III 型では少し改善されている気がします。ヘリアー-ハイパーワイド 10mm F5.6では、個人的にはなんとか許容できます。 海外(中国)製サードパーティレンズです。LM-EA7で使うことを前提とした場合、MマウントのLAOWA 11mm F4.5 と14mm F4 が、妥当な周辺光量を望めそうです。ここは、資金を蓄えるのが賢明なようです。 [2022・06・11.追加] |