作成:2000・02・21
改訂:2001・06・15
SMCタクマーレンズについて
ここで紹介するレンズは、手持ちのボディのESII で使用するため、開放測光・自動露光の連動ピン類が整っているSMCタクマーレンズです。そもそもが、SMCタクマー15mmF3.5を使い続けるために、昔買そびれたESII を標準レンズ付きで購入したのと、約30年も前に、友人の持っていたスーパータクマーレンズが懐かしいのが動機で、28mmF3.5、135mmF3.5や200mmF4を揃えました。ESII やSレンズに関連するアクセサリーも、売っているとつい手を出してしまいます。
昔はM42マウントなどと云う人はいなかったのですが、今は、結構珍重されて、標準レンズと28mmF3.5、135mmF3.5以外は、在庫があってもけっこうな値段です。 |
現在は、M42というネジの規格で呼ぶのが流行していますが、もちろん現実を後から追認した規格です。元々のオリジナルは、プラクチカマウントで、一般にはPマウントと呼ばれていました。これを、ペンタクスマウントを省略した呼び方だと誤解していた人もずいぶんいたようです。
アサヒは、スクリューマウントを略してSマウントと呼んでいます。スーパータクマーはともかく、SMCタクマーまでネジの規格でくくってしまうのは少々乱暴です。 スーパータクマーの自動絞り機構は、ペンタックス以外のPマウント一眼レフにも採用された方式であり、実質的にはペンタクスマウントと云うことができます。 SMCタクマーは、技術的にネジマウントでは無理と云われていた、開放測光・自動露光に対応しています。ただし、その脅威のメカニズムを備えているのは主にボディ側です。 しかし、突然のKマウントシステムの登場は、あまりにも華々しく、SMCタクマーが花道を下がる姿に悲哀を感じざる得ませんでした。とは云え、海外向けにはSP1000用には暫くの間は供給が続けられていました。 ということで、SMCタクマーレンズのお話なので、ここではSマウント呼ばせて頂きます。 |
古いレンズの性能を、今の常識で期待すると大抵は裏切られます。スーパータクマーからSMCタクマーに順当に進級できたレンズ、SMCタクマーからKマウントに卒業できたレンズならまず間違いないと思います。ただし、スーパータクマーには、外観は同じでも新、旧モデルの存在するものがたくさんあるので要注意です。また、古いタクマーレンズにたいへん優れた描写をするのものがあることも事実ですが、プリセット絞りで使いづらいとかの問題があり、どなたにでもお奨めはできません。
とにかく、良い写真を撮るためには、レンズの良い点も悪い点も理解し、特徴を生かすような工夫が少なからず必要です。若い頃の話ですが、私のペンタックス党の友人は、ニコン党の友達になにかと機材をばかにされていました。しかし、彼はエライ奴で、性能の差を埋めるために、撮影や暗室作業の腕を磨く努力をしていました。私は、その友人にはとても付き合いきれず、気持ちだけしか見習うことができませんでした。機材の性能のわずかな差などというのは、研鑚を積んだ技量の前には何の役にも立ちません。 |
以下はSレンズに関するコラムです。(クリックして下さい) |
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SMCタクマーレンズを迎えるために、心がけているのは、革製ケースを準備することです。昔のタクマーレンズでは、ベージュ色に近い茶のなめし革のケースだったようですが、さすがに、物心つく前のことは判りません。スーパータクマーレンズは、独特の黒のヌメ革風ケースに収まっていました。 そして、SMCタクマーレンズでは、その質感を巧みに模擬した紙製ケースとなっているのです。新しいうちは見かけでは判らないのですが、10年もすると、表面がボロボロに朽ちてきます。そこで、スーパータクマーレンズ用の革ケースを見つけてくるよう心がけているのですが、15mmF3.5、50mmF4、ベローズタクマー用などのケースは未だ揃えていません。そもそも、15mmF3.5や120mmF2.8用の革ケースは存在しませんし、ベローズタクマー用は絶望的です。 さらに、革製ケースを準備せずに、ここ1年ぐらいに増えたSMCタクマーレンズには全く申し訳ないことです。もう、オリジナルの紙ケースに6×7用レンズケースの革を張り替えるという手段しかないのかなぁと思っています。 尚、マニュアルのKマウントレンズは、初期はタクマーレンズ同様の紙製ハードケースでしたが、Mレンズからは、黒のなめし革風の紙製ハードケースが指定されていました。こちらは耐久性があるようです。しかし、数年前このハードケースを注文したところ、全廃されたとのことで、Fレンズと同じソフトケースを買わされました。 |
現在は、専用フードやキャップを、後から買おうとすると大変割高です。なるべくレンズに付いている物を買うように心がけました。現行のFキャップのほうが機能的には優れているのですが、どうしてもメタルキャップでないとSレンズの雰囲気を楽しむことができず調子がでません。専用フードは懐古趣味だけでなく、後世のスナップオン角型フードのように欠陥のあるものは、どうしてもいただけません。170円だった49mm径のメタルキャップに、千円払うのもばからしいのですが、ビョーキだからしかたないと思っています。 尚、Sマウント用のバックキャップとボディキャップは、アクセサリーとして、つい最近まで定価150円(実売120円程度)で供給されていたので、必要量を買いました。メーカー在庫も払拭ということになってしまうと、もう少し買っておけばと悔やまれますので、量販店などで見つけるたびに買い足すようにしています。 |
SMCタクマーレンズの絞込み(自動絞りとマニュアル絞り切り替え)レバーに刻印してある数字にどんな意味があるのだろうと思ったのが、このホームページを作ったきっかけなのです。 自動絞りのSMCタクマーレンズの場合、絞込みレバーの後に5けたの数字が打刻してあり、下4桁が(型式番号)と対応するようです。上1桁の意味は謎ですが、製造ラインか工場を表しているのではないかと思いました。スーパータクマーでは、4桁の場合もあるようです。 これらは、海外ではプロダクトNo.と称しており、頭の1桁は、標準レンズ、交換レンズといった区別を表わしていました。国内では、修理票のコード番号欄にこの数字が記入されます。もちろんボディにもあり、SPでは底板に刻印されています。 では、モデルNo.は、仕様とどう対応しているのでしょうか。それぞれの桁は何を意味しているのでしょうか。SMCタクマーレンズの打刻の意味は、ぜひとも明らかにしたいと思い「タクマーレンズ一覧表」にまとめてみました。謎解きはまだ途上です。 尚、モデルNo.は、レンズの保証書の引替え葉書に記載されていました。 |
私の独断で選んだ一般撮影に向くSMCタクマーレンズです。置き場所に困る400mm以上の超望遠レンズや、ウルトラアクロマチックタクマーなどの特殊用途のレンズは私の守備範囲ではないので外しました。 Sタクマーと違い、SMCタクマーレンズはカラーバランスが統一されているだけでなく、描写が似ているものが少なくありません。ほとんどは、SP-Fで開放測光、ES/ESIIでは自動露光が可能です。 掲載に○印があるのが、このコーナーで紹介しているレンズで、好みは「私の好」みです。僭越ながら寸評を記載しています。尚、レンズの仕様などは、「タクマーレンズ一覧表」を。販売されていた時の国内価格は「SMCタクマーレンズの価格推移」を参照下さい。
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