ＳＭＣタクマーレンズは、ＥＳ発売(71年10月)以前に発売されています。それまでのスーパータクマーレンズに代わり、ちゃっかりと価格改定されて、順次流通してゆきました。発売されていたころの価格に関するご質問を頂くことがあるので、価格の推移をまとめてみました。
　これらのレンズの現在の中古価格は、たいてはこの値段より安く、プレミア価格のついるものはほとんどありません。これらのレンズは、既に資産的価値はなく買取の対象にならないようです。それが、貧者の私でもなんとか手元に揃えることが出来る理由です。でも、あってないような中古価格ですから、新品価格より高いものをつかまされてがっかり、というようなことがあったらお許しください。


　本題ですが、まず、ほぼ出揃った71年9月でまとめました。ＳＭＣフィシュアイタクマー 17mmF４のように、カタログに登場しても、なかなか流通せず、１年ぐらいしてから、ＳＭＣ化されていますとアナウスされたものもあり、実質的な発売時期がはっきりしない製品もあります。

　若干の新製品への投入やモデルチェンジはあるものの、73年秋までは、ＳＭＣタクマーの価格改定はありません。73冬〜74春ごろの価格改定は、オイルショック後の狂乱物価によるものであることが判ります。アサヒは、75年にＫシリーズに切り替えた際はＳシリーズも併売すると云っていたのですが、76年以降は、徐々にＳＭＣタクマーの品ぞろえが寂しくなります。しばらくして、在庫の払拭とともに消えてゆきました。しかし、海外で需要の多いものだけは78年ごろまで生産が続けられたようです。その後も在庫がある限り、併売というシナリオを守ろうとする努力が80年ごろまで続けられました。

　このたび、この「ペンタックスの思い出」をご愛顧頂いている方から、大切に保管されていた「ペンタックスファミリー」No.2(68年)〜No.39(78年)の38冊をお送り頂きました。おかげさまで、この価格推移表も、かなりの不明点が判明しました。心からお礼を申し上げさせて頂きます。

　判明した内容ですが「ペンタックスファミリー」でも、ＳＭＣタクマーレンズは、ＥＳ発売(71年10月)以前の71年6月ごろから発売されています。そしてその中にフィッシュアイタクマー17mmF4は含まれていませんでした。
　当初ＥＳは、50mmF1.4付で販売されていましたが、55mmF1.8付のモデルの追加(72年3月)を期して、標準レンズをゴム巻きヘリコイドの後期形とのセットになりました。しかし、ＳＰは従来形ＳＭＣタクマー50mmF1.4・55mmF1.8付、ＳＬはスーパータクマー55mmF1.8付で販売され続けました。本表では、単体でなくＥＳとのセット販売ですがこの時期を発売日として追記しました。
　ちなみに、ＳＰが新レンズになったのは、ＳＰＦやＥＳII 発売になったころです。そして、ＳＬは市場から消え、ＳＰはＳＰII に交代しました。

　私にとって重要な疑問が氷解しました。俗にいうスーパータクマーII (55mmF1.8 / 37106)の存在理由ですが、この時期のＳＬのために新たにスーパータクマーを生産することが必要になったものと考えられます。

　85mmF1.8の発売時期が判りましたので追記しました。45-125mmF4の発売時期は12月と思っていましたが11月でしたので訂正しました。

　その他、spotmaticianさんからご指摘頂いたことですが、55mmF1.8(後)のプロダクトNo.を37106→37104に訂正しました。
　また、135mmF2.5の前期型と後期型の変わり目は、はっきりしません。もう少し早い時期かも知れません。

[71・12発売?]

[74・12 発売]

[72・4 発売]

[72・3 発売]

[72・4 発売]

[72・1 発売]

[74・11 発売]

[72・12 発売]