作成:2000・08・11

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCマクロタクマー 50mmF4 の思い出

コンパクトなマクロレンズです。

 SMCマクロタクマー50mmF4に対しては、食わず嫌いだったようで、単にガウス型ではなくテッサー型だという偏見からあまり興味はありませんでした。それに、実は、マイクロニッコール50mmF3.5がまだ健在なのと、アダプタリングや接写リングなどを組み合わせれば、引き伸ばし機のレンズでも用を成すので不自由は感じませんでした。
 しかし、出来心というのは怖いもので、ネットオークションに手を出してしまったのです。しかも、中古カメラ屋さんではとても買うことの出来ない安いお代で、譲って頂くことになり、クセになってしまうのではないかと不安です。
 このレンズは、諧調の整った破綻のないクローズアップ写真を取ることに狙いを絞っており、その明快な割り切りには驚かされました。

 

 SMCマクロタクマー 50mmF4 の印象


 SMCマクロタクマー50mmF4は1/2倍までクローズアップが可能です。外観は、ちっちゃくてかわいらしいマクロレンズです。レンズを繰り出してみると49mm径のフィルタサイズにするために、ステップアップリングが作り付けられているような形態をしています。
 撮影してみて、このレンズを絶賛する熱心なファンがいる理由が判りました。クローズアップの描写に破綻がなく、30年以上前に設計されたレンズとは信じられません。クローズアップ撮影では、コントラストが低くもなく、きつ過ぎるでもなく、描写は繊細で、ピント面から離れるにつれ像はなだらかにボケて行きます。そして、円形からほど遠い絞り羽根の形にもかかわらず、標準レンズほどボケの硬さはありません。
 しかし、一般撮影では、悪い光線状態で風景などを撮影してみると、多少フレアっぽい時があり、気をつけないと古いコンパクトカメラで撮影したような写真になってしまします。これは、比較的新しいテッサー型のパンケーキレンズのリケノン45mmF2.8でも同様なので、設計が古いからという訳ではなさそうです。


 

 系譜


 SMCマクロタクマー50mmF4の系譜は、プリセット絞りのマクロタクマー50mmF4で、等倍まで繰り出すことが出来ました。同じレンズ構成で、繰り出しを1/2倍までに制限して自動絞りにしたSタクマー、開放測光が可能なSMCタクマーとして引き継がれました。さらに、フィルタ径52mmのKレンズ、49mmのMレンズまで続投しました。
 Aレンズでは50mmF2.8の普通のマクロレンズに交代し、Fレンズ、FAレンズでも50mmのマクロレンズはラインナップされてはいますが、AFでは100mmのマクロレンズのほうが魅力的です。


 

 その他


 50mmF4は、立体的な被写体のクローズアップ撮影に主眼をおいているので、文献複写やマイクロフィルム作成にはコピーフィルムでないとややコントラスト不足かもしれません。昔、標準レンズを買うくらいなら、暗くてもマクロレンズを買うという人が結構いましたが、この50mmF4では、標準レンズの代用には不足だったかもしれません。それなりの見識を持って作り続けられたテッサー型のマクロレンズです。
 Kマウントのレンズでは解消されているのですが、Sマウントのレンズでは、ふたつ残念なことがあります。ひとつは、オート接写リングに開放F値や位置決め連動機能がないので、ESやSPFで接写リングを使った撮影で開放測光機能を生かすことができません。ふたつ目は、最小絞りが22までしかないことです。



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 更新日 : 2018・12・15.