作成:2003・02・23

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCタクマーズーム 45〜125mmF4 の思い出


15mmF3.5同様の目の粗いゴム巻きヘリコイドのレンズ

 70年代の初めなのですが、実は、最初に自分でカメラを買おうと思った時は、SRT101にサンズームYS-60(60-135mmF3.5)を付けて常用しようと思っていました。しかし、先輩のアドバイスを聞くと、当時のズームレンズでは常用にすることは無理で、結局は標準とワイドレンズになってしまいした。

 SMCタクマーズーム 45〜125mmF4は、高価な純正交換レンズとはいえ、今となっては昔のズームレンズですから、フード付きの美品でも8千円ぐらいの散財で抑えたいと思っていました。キャップ類、ケース、フード付きなれど、カビありなので3千百円で譲って頂くことが出来ました。とりあえず、前方の可動群と後方の固定群に分離してみると、固定群の一番前のレンズにカビが発生していました。なんでこんなところに、と思いつつ、清掃してみると、カビ跡も残りません。それに外観は、本体もフードも全く手ズレさえない、たいへんきれいなレンズです。

 

 SMCタクマーズーム 45〜125mmF4 の印象


 ちょっと、うすっぺらな描写で、あまりきれいとはいえませんが、まずまずのコントラストで鮮明です。ズームレンズらしからぬ、それなりの描写性能です。開放での周辺光量の落ち方はあまり目立ちません。歪は ・・・ 無くはありませんが、現代でもこの程度のものはまかり通ってます。
 手持ち撮影でも抵抗感のないサイズで、最短撮影距離も1.5mと、ズーミング範囲が45-125mmでマクロ機構のないズームレンズとしては立派です。
 一言で言えば、4本のSマウントのタクマーズームのうち、なんとか実用になるのは、このSMCタクマーズーム45-125mmF4だけではないでしょうか。マクロ機能はありませんので、これ1本で済ますことはちょっと無理があると思います。

 このタクマーのズームは、なんてコンパクトなんだろう。  思ったより、軽い!!
  すごい。 広角側が45mmだ。  クローズアップレンズなしで1.5mまで寄れるぞ!!

と、素直に感激できる方(いるかなぁ)だけにお勧め致します。現在の常識で贅沢なことはおっしゃる方は止めておきましょう。

ちなみに、サイズや重さは「Sマウントレンズ一覧表」で確認してください。

 
SMCタクマーズーム 45〜125mmF4

 系譜


 SMCタクマーズーム45-125mmF4は、プロダクトNo.の上では、最後に登場したSマウントのタクマーレンズで、ゴム巻きヘリコイドが粗いブロックパターンになっています。
 Kマウントシステムは1975年夏投入されていますが、SMCタクマーズーム45-125mmF4は、その少し前に15mmF3.5と共にSマウントレンズとして発売されました。ですから、最初のKマウントのラインナップには登場しておらず、半年ぐらいしてから、Kマウント化されたものが発売されました。そして、SMCペンタックス85-210mmF4.5がすぐに降板したのと対照的に、45-125mmF4は比較的長い間、第一線に残ることが出来ました。

 アサヒは、他社に比較してズームレンズは少なく、45-125mmF4は4番目の製品になります。ズームレンズというのは、あまり大衆的なものではないので、安価で良質な撮影機材の普及というポリシーからすれば、後回しになってきたことがうかがえます。45-125mmF4も高価ですが、そう見栄えのする仕様ではないので、モータードライブとかと併用する特別なユーザー向けなんだろうといった印象でした。

 余談ですが、分解してみるとけっこうな枚数のスペーサーが出てきます。組み立て時に1本づつ調整していてることが判ります。この時代なら、本来、無調整で決まらなければ量産品とは云えません。発売時の本体価格が6万7千円というのも無理からぬところです。Kマウントのものは、そのへんの作りは、 ・・・ あきれたことに同じです。懲りてないなぁ。



SMCペンタックス45〜125mmF4との比較

 

 その他


 フードは2分割で、ステップアップリング部とフード部分から構成されています。もちろん、58mmのフィルタ枠にフィルタを付けたときにケラれないようにするためです。
 後でこの専用フードを単体で入手するのは面倒ですから、中古品を買う場合は、レンズにフード付いているか否かは重要なチェック項目となるでしょう。Kマウントのものと同仕様です。

 58mm汎用キャップですが、古いものは滑り止めの植毛した布が貼ってあってありましたが、このキャップはプラスチックの滑り止めになっています。




 ズームレンズというものは、1本で何本もの単焦点レンズの守備範囲をカバーでき、レンズ交換の手間が省けるというのがセールスポイントでした。しかし、このころ、世の中に在るのは望遠ズームばかりで、広角どころか標準さえカバーしているズームレンズはほとんどありません。また、ネジ込みマウントのレンズ交換の手間が省けるのは魅力ですが、単焦点レンズの明るさや最短撮影距離がカバーしきれていないのは、カタログを見れば明らかです。その上、画質はとても単焦点レンズに及ばないとも云われていました。そしてなにより、メーカー製のズームレンズは、かなり高価 ・・・ というのが、定説でした。

 遅ればせながら、標準域をカバーし、最短撮影距離も意欲的です。寸法・重量と描写性能に関して、上では辛辣なこと云いましたが、この時代のものとしてはなかなかの仕上がりだと思います。



 

 
   

 更新日 : 2004・11・08.