作成:2002・07・31

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCタクマー 300mmF4 の思い出


タクマーには珍しいフード内蔵のモダンなデサインの望遠レンズ

 純正の300mmレンズというものは高価で、素人はコムラーやソリゴールのちょっと暗いプリセット絞りのレンズで揃えるのが一般的でした。そんな時代のSMCタクマー300mmF4です。他社の300mmレンズの明るさはF4.5ですから、ちょっと明るいのがとり得です。

 今手元にあるSMCタクマー300mmF4は、あまり程度の良くないジャンク品でしたので3400円で買うことが出来ました。分解跡がひどく、頭もツブれたネジをリューダーやピンバイスで撤去して分解しました。結局、1700円で譲って頂いた別のジャンク品のスーパータクマー300mmF4から絞り羽根とフードを移して、外観・光学系ともに並品レベルまで復旧したものです。残念ながら、三脚座は欠品です。
 カメラ修理をする方のなかには、ネジの頭をツブしたりして分解困難なジャンク(にした人)を憤慨する方もいますが、私は、ちょっと違います。だからこそ、私には買えないものでも揃えることが出来るのだと感謝しています・・・。

 

 SMCタクマー 300mmF4 の印象

 SMCタクマー300mmF4の写りに関しては、評判になったものではありませんので、あまり期待していませんでした。やはり、カラーフィルムを使った場合、写りは目からウロコではなく、目にウロコです。雰囲気のあるボケ味と甘い描写で、個人的には好みなのですが、望遠レンズ本来の遠方のものを引き寄せて鮮明に写すという目的からはお奨めできません。

 せっかくの300mmですから、テレプラスMC6も付けてみました。このレンズの鮮明度の不足はそのまま拡大されますので、鮮明度の目立たない絵柄を選ばないとがっかりということになります。

 全群繰り出しのまま自動絞りにしている昔のレンズですから致し方ないところですが、この時代のシグマの300mmF4のようにマクロ機能とは云いませんが、最短撮影距離が5.5mというのではもの足りません。少なくても、3m以下でないと撮りたいものが思うように撮れません。

 レンズキャップですが、普通の77mmかぶせ式ではありません。レンズフードの上に被せるものなので、300mmF4専用ということになります。
 全長は思いのほか短くて、収納場所に悩むことは杞憂でした。重さは1kg足らずで、手持ち撮影にはまずまずの軽さです。

 

 系譜

 SMCタクマー300mmF4はスーパータクマー300mmF4と同じ5群5枚構成ですが、KマウントのSMCペンタクス300mmF4は5群7枚にリニューアルされました。しかし、すぐにEDレンズを使用した8群7枚構成の高性能なMスターレンズが登場し、Aスターレンズへと継投されました。

 

 その他

 ストーカーなんて言葉の無かった昔の話ですが、私は、写真よりおねーさんへの興味のほうが先行していました。そんな噂を聞いて、全く写真なんかに興味のない後輩が、片思いのおねーさんの写真を気づかれないように撮ってくれと持ってきたのがSPとSMCタクマー200mmF4でした。
 しかし、望遠といっても200mmでは満足してもらえるような写真は撮れませんでした。次に、持って来たのが、何ヶ月分ものバイト代を投じて買ったミノルタSRT101とMCロッコール300mmF4.5とテレモア95というコンバージョンレンズです。合成焦点距離600mmなら失敗するはずはありません。

 単焦点レンズとズームの得失の上から単焦点レンズには捨てがたいメリットが挙げられます。しかし、300mmの望遠レンズは、広角や標準レンズのように数歩移動では済みませんから、望遠ズームに分があります。実用面から云うと300mmの単焦点というのは使いづらく、過去のレンズと云わざる得ないと思います。
 現行の廉価な望遠ズームはちょっと暗く、もう1絞りの明るさは欲しいところです。高性能な描写、らくちんなオートフォーカスも欲しいです。。。シグマなどにあるのですが、新品だとお値段が。。。ちょっと私向きではありません。

 

 


 

   

 更新日 :2004・11・08.
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