作成:2002・07・31

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCタクマー 20mmF4.5 の思い出


この時代の広角レンズとしてはコンパクトなデサイン

 どうしても、一眼レフカメラの超広角レンズはレンジファインダーカメラ用のものに性能が及びません。その光学系をそっくり一眼レフのマウントに移植した超広角レンズでは、ミラーアップして使用することになり、何のための一眼レフか解りません。60年代の末ごろから各社ともミラーアップしないで使える超広角レンズをラインナップしてきました。みな72mmとか77mmのフィルタ枠を備えた独特の外観です。アサヒの場合、F4.5と明るさを押えフィルタ枠は58mm(指定フィルタは77mm)のFatな広角レンズと共通の外観デザインです。
 この時代の一眼レフ用の超広角レンズで懸念されるのは、四隅の画質や流れと歪曲収差ですが、アサヒの20mmは、F4.5とちょっと暗いこと以外、隅々までよく写るし、歪曲収差の補正も素直と評判でした。

 今では、スーパータクマーにしろSMCタクマーにしろ20mmF4.5はそれなりの中古価格ですし、なかなか手が出ませんでした。お安いのには訳があるのですが、ネットオークションでフード付きのものを1万6千円で譲って頂くことが出来ました。このSMCタクマー20mmF4.5が届いた時、その光学系のきれいさには息を呑みました。お安いのは、絞りが粘るからなのです。外観のスレも少なくいっそう不憫でなりません。

 

 SMCタクマー 20mmF4.5 の印象


 24mmF3.5と大きな差があるのが、開放で撮ったときのキャラクターです。四隅がしっかりしています。四隅の描写がひどく流れたり崩れたりはしません。周辺光量の低下も自然です。
 開放から、かなり鮮明でコントラストも充分な描写です。24mmF3.5と同じように、明るさを無理せず、諸収差を丁寧に補正した設計で、エッジを強調するような味付けですが、24mmF3.5ほどではありません。内面反射が少なくコントラストもまずまずで、ゴーストもあまり発生しません。
 評判通り、意外と近代的な描写で、レンジフィンダーカメラ用の超広角レンズの性能に迫ろうとする意気込みが感じられます。

 よく言われることですが、SPのバリエーションモデルの暗いファインダーとの相性が苦しいのは事実です。しかし、マットでもピントの山はつかめますし、ファインダーが清掃されていれば、マイクロプリズムもかろうじてかげらずに使えます。もっとも、スナップマークは1.5mでF8ですから、これでパンフォーカスを決め込んでも問題ありません。
 最短撮影距離は20cmと充分ですが、近接撮影では背景のボケがきれいではありませんので、絞り込んで使ったほうが賢明です。

 SMCタクマー20mmF4.5のフィルタ枠は58mmなのに指定フィルタ径が77mmなのはフードに秘密があります。フードはふたつに分割でき、58→77mmのステップアップリングと角型フードに分割できます。ここにフィルタを挟みます。そして、フードは35mm用角型フードと同じように少しフリーに回せます。とはいっても、PLフィルタの使用はちょっとやっかいです。
 尚、20mm用と24mm用のフードのサイズは同じですが深さがちょっと違います。

 


SPFに装着した24mmF3.5と20mmF4.5

 

 系譜


 スーパータクマー、SMCタクマー20mmF4.5は10群11枚構成です。Kマウントの継投は10群12枚のF4のレンズです。
 その後、10群11枚でF1.4と、コンパクトな8群8枚でF4のレンズが発表されましたが、発売されたのはF4のMレンズだけでした。Aレンズからは9群10枚でF2.8となり、比較的新しいFAレンズも同じ構成です。

 

 その他


 早い時期のスーパータクマーの広角レンズには、20mmF4.5と24mmF3.5の他にも、フィルタ径58mmのFatな概観のものがあります。28mmF3.5と35mmF2ですが、これらはコンパクトにリニューアルされたものがSMCタクマーレンズに進級しました。

 私の悩みがひとつ増えました。絞りがなぜ粘るのかは大体想像つくのですが、その手入れを自分でやるか、修理屋さんにお願いするかです。費用のこともありますが、自分でやるには難しいことがたくさんあり、この20mmF4.5がきれいすぎて失敗することが怖いのです。



 

 
   

 更新日 : 2004・11・08.