作成:2020・03・30
お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。
SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4の歪曲補正
RAWデータの現像ソフトには、歪曲収差を補正する機能がありますが、魚眼レンズを広角レンズに修正するには何回繰り返せばよいかやってみました。ワタシが現在使用しているのは、SILKYPIX Developer Studio Pro 8です。
結果として、いったんRAWデータをJPGデータにしてから、下に示すように歪曲補正を3回くりかえしました。まだ四隅に歪曲が残っている状態ですが、直線のない絵柄で歪曲が目立たなければ、3回目の操作は、省略できると思います。繰り返し過ぎると、波打った直線になったりと難しいところがあります。とにかく焦点距離17mmの魚眼レンズが17mm級の広角レンズなる訳です。さらに、全周魚眼像なら超広角画像が期待できます。 ペンタックスファミリー(No.6)の撮影したフィッシュアイタクマーを引伸し機に付けてプリントする記事を見て、現像ソフトでもできるのではないかと試してみたものです。何ら光学的、数学的なルールによらず、このぐらいでイイんじゃないという感覚が頼りです。 |
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さらに、パース歪みの補正は、画像の回転と上下シフトしてと苦戦を強いられるのですが、新バージョンではパース歪み補正ツールが追加されたそうで、アップグレードするか悩んでしまいます。
バージョン9.0から、レンズプロファイルデータで簡単に歪曲補正ができるようになったようです。どうせなら、SMC PENTAX FISH EYE 17mmF4か、SMC/S FISH EYE Takumar 17mmF4で撮影した写真を、広角レンズで撮影した写真に変換するのデータが公開されると嬉しいのはワタシだけでしょうか。それなら速攻でアップグレードします。 魚眼レンズ画像の歪曲補正ができるソフトやプラグインはないか 探してみたところ、色々あります。特に、からあげ さんが作られた「uonome」という素晴らしいフリーソフトがありました。ただし、K-1で撮影したJPG画像は7360×4912 pxなので、縮小してからでないとワタシのPC環境での作業は困難でした。 |
SILKYPIX Developer Studio Pro 10にアップデートしたのですが、レンズプロファイルデータには魚眼を広角レンズに歪曲補正するデータはありませんでした。次の策として、「uonome」を使用することで、SILKYPIXで何回も歪曲補正を繰り返すのは省略できるのではないかと試してみました。
一番マシンパワーがある手持ちのPCで(恥ずかしながら3.4GHzの第二世代i7です)、7360×4912pxのK-1画像がなんとか歪曲補正できました。上のSilkypixの歪曲補正では四隅の歪曲が補正しきれていませんが、uonome処理は、デフォルトのパラメータ設定ではパノラマ写真のようになりますが、歪曲は素直に補正されています。 あらかじめRAW現像時に、明度・彩度・等倍色収差やフリンジ補正などを必要応じて行い、JPG画像を準備します。uonomeのドロップダウンメニューは、「IHVERTED FISHEYE CONV」と画質優先で「BICUBIC」を選択し、パラメータをセットして...重い、フリーズするかぁ、約10秒 ...ファイルが開けば、歪曲補正は完了で、名前を付けてセーブします。ファイルはTIF形式でセーブされるので、必要ならJPG形式に変換してセーブしておきます。とにかく、上下にケラレが生じないような、画面の水平と垂直の比率が3:2になるようなクロップ設定値でファイルを開けば完了です。 気になるような歪曲などが残るならば、さらにSILKYPIXの補正や微調整も可能です。 |
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こうして出来た広角レンズの画像ですが、画面サイズは初代EOS 5Dの1280万画を超えます。uonome補正は、悩まなくても再現性がよく一発で広角画像に変換できるのが特徴です。撮影レンズの性能によるのですが、魚眼画像の中央部を使うので、シャープネスもまずまずです。しかし、なんとなくリアリティが乏しいと感じました。周辺光量が落ちないので、嫌味にならない程度に周辺光量を下げるとよいと思います。
後で気づいたのですが、「RAD_FISH_VAL」0.62、DIST_FISH_VAL」0.53とすることで、クロップしないで縦横比2:3の処理ができます。なお、使用したのは uonome_for_window_patched uonome_03 というバージョンでしたが、uonome_for_win_v1_2.が、「uonome」のWindows用の最新版のようで、「LOAD SOURCE IMAGE」ボタンで目的のファイルを選ぶだけでなく、画面にドラッグ&ドロップしてもファイルを開くことが可能になっています。 |
詳細にみると、時期によって刻印が変化しています。初期が「SMC PENTAX FISH-EYE 1:4/17」で、後期が、この写真のMシリーズ用の「smc PENTAX FISH-EYE 1:4 17mm」となります。
ところで、SMCペンタックス FISH EYE 17mmF4の、周辺の色収差画質が改善されているかが宿題でした。 まだ、具体的に比較できる写真は得られていませんが、色収差はそれなりに改善されています。 |
それで、新しいボディを買っちゃいました。中古のクラカメですが、いちおうα7RII です。これで、SILKYPIX Developer Studio Pro 10へのアップグレードは許されると納得しました。 専攻科のページ「レンズマウントアダプターあそびの入口 Sony α7でタクマーレンズを使う」もお目通しください。 バージョン 10 の新機能のなかで、パース歪み補正ツール、ネガフィルム反転ツールは素晴らしいと思います。パース歪み補正ツールは画面上の〇ハンドルを動かすだけの直感的な操作なのでとても簡単です。 レンズプロファイルデータで魚眼を広角レンズに歪曲補正するのは違和感を感じます。uonomeのように、魚眼画像をノーマル画像に、ノーマル画像を魚眼画像に一発変換する機能のほうがきっと使いやすいですね。 |