作成:2000・02・24

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCペンタックスAFズームとMズーム35〜70mmの思い出
(SMCペンタックスAFズーム35〜70mmF2.8/Mズーム35〜70mmF2.8〜3.5)


AFズーム35〜70mmF2.8とMズーム35〜70mmF2.8〜3.5をボディに装着したところ。

 ME−Fを使い始め、コンパクトな標準レンズも欲しいと思っていたところ、リコーのパンケーキレンズであるXRリケノン45mmF2.8が発売になり、手が出せる実売価格なので、新品を秋葉原のカメラのニッシンで買い求めました。その帰路、錦糸町駅ビルの中古カメラ屋さんのウインドーを覗くとペンタックスのレンズキャップを被せた変なレンズがあります。ME−Fの専用レンズのSMCペンタックスAFズーム35〜70mmF2.8で、かなり程度のよい品です。ME−Fに付けて動くかは未確認で、保証できないけど7千円とのことなので買ってしまいました。単4電池を4本入れ、電源スイッチを入れフォーカシングボタンに触れるとズコズコと動いて合焦します。よい買い物ができた1993年の暮れの幸運な日の思い出です。
 1年余り経った95年の初めのことですが、無知というのは怖いもので、新橋カメラを覗いたときマユアルフォーカスに改造されたものがあるではないか、と早とちりし、1万6千円という値段だったので買ってしまいました。Mズーム35〜70mmF2.8〜3.5でした。

 

 SMCペンタックスAFズームとMズーム 35〜70mmの印象


 AFズーム35〜70mmF2.8のフィルタ枠は58mm径で、全体を艶のある黒塗装で仕上げられている点が他と異なります。ズーミングは縮めてテレ伸ばしてワイドで、連動して絞りが開閉し同じF値を保つようになっています。
 AFの能力ですが、日中の屋外ならば、充分実用になりますが、室内で照明が暗いとズコズコズコ・・・・と動いているばかりでいつまでたっても合焦しません。センサーの感度が低いためで、かなうことなら、AFレンズを付けた時だけでも信号を増幅する外付けアンプを付けたい気分です。
 Mズーム35〜70mmF2.8〜3.5のレンズ構成は、オートフォーカスのものとほぼ同じで、ズーミングの際に中で動くレンズの径が少し小さいようです。ペンタックスレンズ共通の艶なし黒塗装で仕上げられています。径58mmのフィルタ枠はAFズームよりも深く、フードを兼ねた径67mmの変換アダプタを介してフィルタを取り付けるようですが、未だ現物を見たことがありません。
 どちらのレンズも、どの焦点域、どの絞りでも、撮り比べた写真の差は見ただけではわかりません。ボケ味も美しく、ほどよいコントラストでそれなりに鮮明な写真が取れます。周辺光量も充分ですが、逆光には弱いところがあり、フレアがかかります。広角だとタル型の歪みが生じますが、ズームレンズと思えば我慢できます。これらのレンズは双子のようによく似ています。
 近距離は1.2mまでしか寄れませんし、マクロ機能もありません。アタッチメントレンズは用意されておらず、度の強いクローズアップレンズとは良い相性ではありません。
 高価なレンズなので、いずれのレンズも明るさは充分ですし、性能もなかなかで、描写の味わいには技術的な余裕も感じます。しかし、このサイズと最短撮影距離では、常用する標準ズームとすることがどうしてもできませんでした。


 

 SMCペンタックスAFズーム35〜70mmについて


 以下は、何も知らずに買って、後で調べてみて判ったことです。これが唯一のME−Fの専用レンズであるAFズーム35〜70mmF2.8で、本体(クロムボディ)とセットだと16万4千5百円という値段で売られていたものでした。
 76年のフォトキナで発表されたAFズームの試作品は、レンズにセンサーが外付けされて、Kマウントのボディなら使えるようになっています。外観はずい分と不恰好でAFズーム35〜70mmF2.8の先祖とは思えません。Mズーム35〜70mmF2.8の試作品も、同時に発表されており、F2.8でF値一定ズームとなっていました。
 単焦点のP・Mレンズは発表された時の仕様で順次発売されていますが、MズームのF値はF2.8〜3.5に見直され、Mズーム35〜70mmF2.8〜3.5として発売されています。
 ME-F開発に伴ってMズームがブラシアップされて、F2.8のF値一定のAFズーム35〜70mmF2.8が生まれたのか、AFズームの試作品の開発が継続され、MEスーパーを改造した専用のボディがくっ付けられたのか、想像するのも楽しいことです。とにかく、Kfマウントのレンズはこれしかありません。


 

Kfマウント

KAFマウント

 その他


  93年の暮れの時点で、偶然AFズーム35〜70mmF2.8を入手できたのは、本当に幸運でした。台数は少なくなっていますが、まだME−Fは中古カメラ屋さんのショーケースにあります。しかし、AFズーム35〜70mmF2.8となるとあまり見かけません。ME−FとAFズーム35〜70mmF2.8がどのような比率で生産されたかは知りませんが、ボディのほうが過剰であることは確かです。

 ME−Fは、MEやMEスーパーの外観とほとんど差異がなく、ME−Fを買った人は、気の毒なことに、高い買い物をしてもミエは張れません。そして、AFズーム35〜70mmF2.8を付けないと、単にフォーカスエイド機能しか利用できません。おそらく、多くのユーザーが、もっと廉価なズームレンズや、ピント合わせの面倒な望遠レンズがAF化されることを望んだことでしょう。AFの交換レンズが発売されることを期待して、ME−Fを選択した人も多かったでしょう。

 中古カメラ屋さんで、AFズーム35〜70mmF2.8と巡りあったら、見せてもらうのは昼間にしましょう。外を覗いてみれば、AFの能力も充分実用になることが判ります。



 

 


 

 

 更新日 : 2002・11・02.