作成:2000・02・26

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCペンタックス Fズーム35mmF3.5〜70mmF4.5 の思い出


 当初、MZ−5用のオートフォーカスレンズは、SMCペンタクスFズーム35mmF3.5〜135mmF4.5とFズーム24〜50mmF4だけあれば充分と思っていたのですが、Fズーム35mmF3.5〜70mmF4.5が最も最も重宝するレンズになってしまいました。せっかくの一眼レフを使うのに、コンパクトカメラと同じような写真しか撮れないレンズに分類されることは事実ですが、使い勝手がよくなかなか優秀な性能を持っています。

 このFズーム35mmF3.5〜70mmF4.5は高輪の中古カメラ屋さんで「バルサム剥がれ」の研究品として売られていたもので3千5百円でした。外観は良好ですが、レンズを覗いてみると確かに幾つか水滴が付いているように見えます。また、グリスが硬化しているようでズームリングは渋くなっていました。しかし、それも簡単な手入れで、解消することができました。

 

 SMCペンタックス Fズーム35mmF3.5〜70mmF4 の印象


 Fズーム35mmF3.5〜70mmF4.5の魅力は、中古レンズとしては安価な標準ズームに分類されており、コスト低減を極めた後継レンズに比べると高級品だった分、若干明るいことと、重さこそ250gありますが全長が50mmとコンパクトさ(僅差ながらクラス最短)が追求されていること。さらに外観もSFXシリーズ用のFレンズの派手な体裁で、絞りやズームリングの数字は彫りこみ文字です。
 最短撮影距離は70cmなので不自由は感じませんが、望遠側のマクロ機能を備えており、その場合は32cmまで寄れます。
 また、Fズーム35mmF3.5〜135mmF4.5(12郡16枚)やFズーム24〜50mmF4(10郡11枚)に比べると、レンズ枚数が少ない分、ファインダーでも判るほど抜けがよく、写りは鮮明です。ただし、歪は幾分大きいようです。


 

 レンズの手入れ


 ズームリングのほうは暫く使っているうちにスムースに動くようになりました。「バルサム剥がれ」のほうは、実害はありませんが精神衛生上よくありません。
 カタログの図で明らかなように、Fズーム35mmF3.5〜70mmF4.5は8郡8枚なので、貼り合わせているレンズ郡はありませんので「バルサム剥がれ」はあり得ません。そこで、写真のようなレンチを作り、レンズを開けてみると水滴のように見えたのはグリスでした。レンズを暑い車内などに放置した直後に勢い良くズームリングを回したために粘性の低下したグリスが飛散したものと推察されのでしょう。
 清掃し復旧するついでに、無限遠に若干遊びを残しました。常々感じていたオートフォーカス時の不満を少し解消しました。


 


使用許諾を得ていないので、お見せできません。あしからず


Fズーム35mmF3.5〜70mmF4.5の構成図
(貼り合わせているレンズ郡はない)

出典:ペンタックス一眼レフ用レンズカタログ 89年4月版

上:前玉を外すためのレンチ

下:材料のT型補強板

 

 系譜


 今では、このクラス(暗めの35〜70mmまたは35〜80mm)の標準ズームは価格を抑え、万人にそこそこの写真を楽しんで欲しいという意図で作られています。それを、初心者用等と断定し敬遠するのは早計で、荷物にならず、気楽な撮影をしたい時には、ミエさえ気にしなければ極楽です。
 このクラスの標準ズームの身上である価格とコンパクトさが追求され、後継機種はFズーム35mmF4〜80mmF5.6(廉価版のSFXシリーズ用)、Fズーム35mmF4〜80mmF5.6(Zシリーズ用)、FAズーム35mmF4〜80mmF5.6(MZシリーズ用)と続きます。


 

Fズーム35mmF3.5〜70mmF4.5は程度の良いものでも8千円程度でしたから、研究品にレンズキャップとバックキャップを買い足すと格安というわけではありません。研究品は、致命的な欠陥があれば散財に終わるだけなのはいうまでありません。

 

 


 

 

 更新日 : 2002・11・02.