作成:2021・10・03

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


SMCペンタックス FA70-200mm F4-5.6 の思い出


  F70-210mm F4-5.6 のコンディションが少しくたびれてきたので、買い替えようと思いました。ネットオークションで、入札してみて、ケース、キャップ付きの極上品が2400円です 。。。ちょっと安い!?
 ここだけの話、コンディションの良いものを探していたのですが、間違えてFA70-200mm F4-5.6を落札してしまったのです。恥ずかしくて誰にも言えません。
 
 世の中の評判は、FA70-200mm F4-5.6は F70-210mm F4-5.6よりワンランク下です 。。。思い直して、K-1で撮影してみると、諧調もよく素直な質感の描写です。タクマーレンズによく似た味付けで、すこし心が弾むものを感じました。これも縁なので、使ってみることにしました。

 

 SMCペンタックス FA70-200mm F4-5.6 の印象

 海外のレビュー記事 ePHOTOzine では、135mmまでの画像は鮮明で穏やかな柔らかさを持っているが、焦点距離が長くなると一見シャープに見える画像でも細かいディテールは実際になく、K-1では落胆するそうです。要するに中間の焦点距離までの実力は良いようです。確かに、一見シャープに見える望遠側の画像を拡大してみるとエッジが滲んでいます。諧調はしっかりしているので、昔のフィルムの解像度ではあまり目立たなかったのでしょう。  
   
 コンパクトで携行しやすい。最短撮影距離は焦点距離は 200mmでも1.1mで、最大倍率は0.25倍(1:4)になります。マクロ機能はありませんが充分です。暗いレンズなのに、絞り羽根は、贅沢にも9枚です。最小絞りは、F32(F45)まで絞れます。フィルター径は 49mm で、AFが作動するとフィルタ枠は回ります。ここまでは、 F70-210mm F4-5.6と同じです。  
  F70-210mm F4-5.6は、EDレンズを使用して9群13枚構成と贅沢ですが、FA70-200mm F4-5.6は、8群10枚と合理化されています。公称の全長は、99 mmから116 mmと少し長くなっていますが、重量は、555 gから465 gと少し軽量化されています。時代的に、さらなる鏡胴のプラスチック化はこれから進みます。ちなみに、F70-210mm F4-5.6は、K-1で撮り比べてみると望遠側の開放画質は素晴らしいものがあり、さすがだと思いました。  
   
 FA70-200mm F4-5.6は、パワーズーム付きで、ズームリングを前後することでマニュアルズームと切り替えられます。パワーズームはズームリングを回す角度によって3段階の速度でズーミングします。DSLRの静音に慣れてしまったので、静かなところでは気兼します。パワーズームになっているときは、電源スイッチを切るとレンズは最短の焦点距離になって収納されます。  
 Zシリーズでは、拡張機能として、ズームクリップ(プリセットズーム)、イメージサイズ指定、露光間ズームができました。(MZ-3/5ではできません)発売当時は、MZ-5ユーザーでしたがパワーズームにあまり魅力は感じませんでした。  
 なお、K-1の取り扱い説明書では、プリセットズームとオートズームが無効であると書かれています。先人によると、すぐに飽きるそうですが、露光間ズームが簡単にできるなら 。。。飽きてみたい。


 系譜

  F70-210mm F4-5.6は、1987年の登場ですが、1991年に交代した FA70-200mm F4-5.6は、2000年ごろまでカタログに掲載されていました。  
 さらに、295 gと軽量で廉価な F 80-200mm F4.7-5.6が1994年に登場し、1999年にさらに簡素なFA 80-200mm 1:4.7-5.6と交代しましたが、フィルムカメラの終焉に伴い、APS-C用レンズのDA 1:4-5.6 50-200mm EDと進化します。最後のフィルムカメラ *istと最初のデジタルカメラ *istDは、ともに2003年発売です。(この他に、nonSMCレンズのTakumar-Fレンズなどもありますが、ここでは省略させて頂きます)

 


 このレビュー記事では逆光でのフレア耐性が低いとも言っています。とりあえずフードです。指定のフードは、ラバーフードRH-RB49ですが、ねじ込みで中古というのも納得できません。タクマー用のメタルフードでサイズを確認したところ、100〜120mm用ならケラレないようです。AFが作動するとフィルタ枠は回るので、ねじ込みか、スナップオンの丸い49mmフードかなぁ。標準レンズ用ですが、オリンパス製の締め付けタイプのラバーフード(手持ち品)を使ってみます。それなりに効果があり、Fキャップは、フードを付けたまま着脱できます。(現行のO-LCキャップはインナーワンタッチタイプなので更に着脱容易)  
   
 正直なところ、Zシリーズ用のFAレンズのデザインは好きではありませんでした。真っ黒で地味。ズームリングの独特のドットパターンにも馴染めませんでした。SFXシリーズ用のカラフルで、少し派手なFレンズが好みでした。文字も、打刻や彫り込みを模しており、高級感があります。FA70-200mm F4-5.6も F70-210mm F4-5.6小さくてそれなりに軽量。フィルタ径49mmに対して、最大限の明るさを求めています。

 

 

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 更新日 :2019・10・03.
 Product Code 27427

 

 余 談
 
 [ひとり言] FA 80-320mm F4.5-5.6

 正直な話、EOS5Dや5D MarkII使用時には、EF70-300mm F4-5.6 IS USMが、1.4倍テレプラスの併用もできて、画質も良いのでお気に入りでした。さて、K-1には同じクラスの望遠ズームが不在です。
 そこで、2019年秋に、4000円で並品のFA 80-320mm F4.5-5.6 をネットオークションで譲って頂きました。しかし、使ってみると、シャープネスが不足なのと二線ボケぎみで評判通りの写りではないので納得できずしまい込んでしまいました。

 焦点距離は80〜320mmとズーム比4倍を几帳面に実現しています。レンズに構成は、10群13枚構成です。マクロ機能はありませんが、最短撮影距離は全域で1.5mで、最大倍率は焦点距離320mmでは 0.28倍になります。公称の全長は、129 mmですが、重量は、550 g とまだ、軽量化は進んでいません。

 1997年に登場で、銀色も選べて、ズームリングのゴムのパターンは、軽快なものにはなったのですが、この個体は、世の評判ほどの性能ではありません。プラスッチックマウントで約150gの減量に成功したFA100-300mm F4.7-5.8が、2000年に登場していおり話のついでに試してみたい気はします。やむなく、FA80-320mmを買い替えることはせず、2005年登場と少し新しい、SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACROを選択しました。
 フィルタ径は58mm、全長は 122 mmで、重量は 550 g、最短撮影距離は150cmで1:4.1(マクロ時1:2)FA 80-320mm F4.5-5.6と大差ありませんが、SLDガラス3枚した10群14枚構成と贅沢です。絞り羽根は9枚で最小絞りはF22です。

 2003年に、*istと*istDに対応して、FA J 75-300mm F4.5-5.8 ALが供給されます。35mmフィルムとAPS-C兼用で、絞りリングは省略されています。プラスッチックマウントで385gと軽量です。縁があったら使ってみたいと思います。
 フィルムカメラの終焉とともに、APS-C専用にシフトして行きます。DA F4-5.6 50-200mm EDが2005年、DA F4-5.8 55-300mm EDが2008年の登場です。いずれも、APS-C専用なので、K-1では使えません。せめて、70mmからでも100mmからでもフルフレームで使えると良かったのですが残念です。

 

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