作成:2021・01・11


お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


 

 2.SMCタクマー 20mmF4.5と SMCタクマー 24mmF3.5


SMCタクマー 24mmF3.5 と SMCタクマー 20mmF4.5
背景の半断面図は拾い物ですが教典の研究本にも掲載されています
 
 本科で書いたことと重複してしまい恐縮です。いずれも、スーパータクマーの時代に登場し、同じ光学系でSMCタクマー、Kマウントレンズに発展したレンズで、プリセット絞りやオートタクマーは存在しません。いずれもフィルタ径は58mmですので、外観に大差ありません。 フードもほぼ同じサイズです。

 フィルムカメラでの印象では、24mmF3.5は、タクマーの広角レンズらしく隅々まで標準レンズのような描写をしようとしますが、20mmF4.5は、超広角レンズの割り切りで、中心部のコントラストが強くシャープで、周辺はそれなりの描写だと感じていました。スーパータクマー、SMCタクマーいずれも、28mmF3.5ほどの流通量はありません。
 
 

 

SMCタクマー 20mmF4.5 試写



SMCタクマー 20mmF4.5 試写


 左は、道路公団時代の古い灰皿です。開放で撮影した写真をリサイズしています。暗いレンズですが、絞ると画質はそれなりに向上します。

 下のピクセル等倍まで拡大した画像は、調子に乗って接近しすぎたせいかディテールが甘くシャープネス不足であることが判ります。普通に撮影した場合の等倍画像はSMCタクマー 24mmF3.5と同程度のシャープネスです。

 スーパータクマー版は1968年登場ですから、この時代の20mmレンズとしては、他社の20mmレンズに引けを取らない優れた性能を有していると思います

 ピントのあってない背景は、エッジがなく厚みのあるボケです。逆光には強く、ゴーストの発生も少なく、フレアで白カブりすることもないようです。


ピクセル等倍画像 (部分)

 

SMCタクマー 24mmF3.5の試写



SMCタクマー 24mmF3.5 試写


ピクセル等倍画像 (部分)

 このような紅葉の風景の中だと、広角レンズは勝手に芸をしてくれます。ピントの合っていない背景に二線ボケなどはありません。ひいき目で恐縮ですが、等倍画像でもかろうじて必要なシャープネスが確保されていると思います。

 タクマーレンズらしい素直なレンズです。上のSMCタクマー 20mmF4.5も、この紅葉の風景だと、見分けがつかないタクマーレンズらしい描写です。
 
 いずれも日中の屋外であればF8〜11程度までは、LM-EA7による半押しAFが可能です。室内では、SMCタクマー 20mmF4.5は、開放でないと合焦しないので、半押しAFで使うのは無理です。SMCタクマー 24mmF3.5は、屋内でもF5.6〜F8程度まで半押しAFでピント合わせができます。
 いずれも絞り羽根は5枚ですので、ゴーストイメージは五角形になります。絞り羽根は小さな部品なので、ネバリの手入れは苦労したことを思い出しました。いずれも広角レンズなので、LM-EA7の繰り出し量で充分だと思います。

 

このα7RII (FW Ver.4.00)とLM-EA7(FW Ver.6.0)での動作なので、記載内容が再現しない場合はご容赦ください。このレンズを取付ける中間アダプターは、Sマウントレンズなので YIYO M42-Mマウントアダプターを使用しています。
 

前へ   目次   次へ


   更新日 : 2021・01・11.

 

 

    余 談

[ご参考]

 SMCタクマー 20mmF4.5に58mmフィルタを付けるとケラれる可能性があるため、フードが二分割になっていて、レンズ側が58mm→77mmステップアップリングになっています。
 SMCタクマー24mmF3.5用のフードの中には、77mmフィルタ用のネジが切ってあり、58mmフィルタと77mフィルタの二種類が使えるのが特徴です。
 
 
    SMCタクマー 20mmF4.5のフードへの77mmフィルタの装着       SMCタクマー 24mmF3.5のフードへの77mmフィルタの装着
    後ろのフードは、深さが少し違いますが、新旧は不詳です。      フィルタのネジがカジったら一大事。まずは油責めかな。

余談の先頭に戻る