Takumarレンズのプロダクトナンバー(Product number )について

[Sマウントレンズ一覧表]

    

はじめに

 以前から興味を持っていた SMC Takumar レンズの絞込みレバーに刻印されている数字に関して、私は、5桁のうち下4桁はモデルナンバー(型式番号)に一致することには気づいていました。しかし、頭の1桁が何を意味するのか判りませんでしたし、モデルナンバーがどのように採番されているのかも判りませんでした。
 しかし、猫洞さんからご紹介頂いた
Gerjan van Oosten という人の書いた「The Ultimate ASAHI PENTAX screw mount guide」という本により、一気に疑問は氷解しました。プロダクトナンバー(商品番号、製品コード番号)というものがあり、SMCTakumarレンズの絞込みレバーに刻印されている数字は、このプロダクトナンバーだったのです。

プロダクトナンバーについて

 この本は、レンズだけでなく、ボディも1ページに1機種ずつ紹介されており、仕様、外観写真、図、同じモデルでも細かな設計変更点が説明されています。そして、それぞれのプロダクトナンバーが記載されていました。
 ボディのプロダクトナンバーは2、標準レンズは3、交換レンズは4で始まる5桁の数字です。そこで、これを番号順に表にまとめてみると、これらの製品の系譜が浮かび上がるのではないかと考えました。

(余 談)
 現行品でも、修理に出すと、修理表には、製品名、コード、製品番号と書き込まれます。MZ-5のボディのコード覧は27251でした。昔修理したESⅡの修理表を見てみると23117となっていました。このようにプロダクトナンバーを使っていたのです。シリアルナンバーからなのか、外観の特徴からなのか、プロダクトナンバーを判断する台帳みたいなものが存在するのでしょう。また、製品番号の欄にはシリアルナンバー(製造番号)が書き込まれます。
 プロダクトナンバーは、普通に云えば、商品番号、製品番号というところなのでしょうが、混乱を避けるため、ここでは製品コード番号とします。

一覧表の作成

 レンズ銘とプロダクト(モデル)ナンバーの対比をまとめたリストを作成しました。絞りリングの"11"と"・"の違いなどのレベルまでは、原典に委ねるとして、概略仕様をその表に追加してみました。こうすることで、レンズの系譜がたどりやすくなると思います。追加した概略仕様の情報において、アサヒ公称の重量・全長・径を、手持ちのカタログ類や取説等から転記したものは、備考欄に(SMC-T取説)などと記しました。しかし、手持ちの資料の無いものは、文献やURLの数値を入れてあります。


概略仕様の数値

 これらアサヒの公称値でも、その時々で、「重量に三脚座などの付属品は含む」、「全長はフランジからの寸法」等と統一されている訳ではありません。今回参考にした文献でも、この公称値の端数を丸めて記載したり、実測値と思われる数値がありました。


まずは、見てください こんなことが判ります。

例−1
単に、前期型、後期型と云われるものでも、設計変更によるものと、前のものに似せて造った新設計品のものがあります。

例−2
仕様の違うF2とF1.8の標準レンズは同じもののバリエーションで造られていました。

とはいえ、設計変更すると必ずプロダクトナンバーが変わるというものでもなく、移行期のものは、新旧の部品が混在して生産されたものも多いようです。

問題点と情報提供のお願い

 1.新たな疑問が生じました。少し欠番があるのです。
   お手持ちのレンズで欠番にあたるものがありましたら、ぜひご教示ください。
 2.重量・全長・径、発売時期の欄ですが、全てを手持ちのカタログ類で埋めることができません。
   お持ちの写真雑誌のバックナンバーやカタログ類から、アサヒ公称の数値や、発売時期をご教示ください。
   本来なら、JCIIライブラリーに行って自分で調べれば良いのですが、地方在住なのでかないません。
 3.記載がおかしいと思われる個所はご指摘ください
   独断と予断で作成しておりますので自信はまったくありません。
   この表は、全てのタクマーレンズファン共有のものにしたいと思います。
 4.皆様の考察をご教示ください
   もし、この表をみて、なにか推理できることや思いついたことがあったらご教示ください。

謝辞
 1.文献のご紹介
    猫洞まことさん

 2.刻印情報のご提供
    TAKUMARマニアさん、Toshiさん、ファイヤー佐藤さん、Youmaさん
   

作成日 : 2000/06/28 .
更新日 : 2003/03/02 .