作成:2020・03・23

お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。


気になる スーパータクマーズーム75〜150mmF4


スーパータクマーズーム75〜150mmF4とSP初期型

 ペンタックス♪ペンタックス♪望遠だよ!ワイドだよ!ペンタックス♪ペンタックス♪という昭和40年代の連呼CMに、ズームもあるよ!と言っていたバージョンの記憶があります。そのズームってこれだったんですね。懐かしい気持ちに、ネットオークションで、カビ玉と光学系美品の二つに手を出しました。本来は、アタッチメントレンズが付属していたはずです。欠品なので探してはみたのですが結局は諦めました。

 

 スーパータクマーズーム75〜150mmF4 の印象

 このスーパータクマーズーム75〜150mmF4は、旭が初めてラインナップしたズームレンズです。ズーム範囲が70-150mmなのに、実用には程遠い大きさ(径74.5 mm×長さ224mm)と重さ(公称1209g)にたじろぎます。フィルタ径は67mmで、当然ながら三脚座が付きます。そして、最短撮影距離が3.5mであることに愕然とします。当時のフィルム感度事情から開放F値は全域F4.5で、最小絞りは6枚羽でF22まで絞れます。
 世の評判の良いプリセット絞りのタクマー200mm F3.5と同じくフィルタ径は67mmなのですが、長さ(156mm)も重さ(公称900g)はとても及びません。

 粗悪品が多かったのは事実ですが、ズームレンズの写真は、単焦点レンズの写真に全く及ばないという著名な写真家の感想が定説になっており、旭からはなかなか新しいズームレンズが登場していません。
 ワタシもこのような先入観を持っていたので、意外にも、描写はクセのない写真が撮れる素直なタクマー度の高いレンズで驚きました。歪曲収差は気になりません。開放から、鮮明さは十分で、絞ってもあまり変わりません。残念なのは、最短撮影距離が遠いのと大きさと重さです。


拾い物の図は13群15枚です。教典にしている研究本にも本図は掲載されていますが、記載は11群14枚になっています。
正解はタクマーレンズの取り扱い説明書の12群14枚になります。

 系譜

 
 Sタクマーズーム 1:4.5 70〜150mmは、1964年登場となっていますが、総合カタログの64年春版では、まだ掲載されていません。65年版では前期型の写真です。66年版から写真は後期型で掲載され、なんと、1971年のSMCタクマーの時代まで連投していました。いちおうタクマーレンズの取扱説明書にはで66年ごろまで前期型の写真のものが掲載されています。後継は、かなり時間が空いて、SMC PENTAX-M ZOOM 1:4 75-150mmが 1980年に登場します。

 

 その他

 研究本では三脚座はSタクマー300mm F4とフィットすると記載されていますが、絞りリングに当たって付きません。S/SMCタクマー300mm F4の三脚座はこのレンズに流用できます。
 最初は出来心でカビ玉のキャップ付きのSタクマーズーム 70〜150mm F1:4.5を2019年正月に2,580円でネットオークションで譲って頂きました。カビ掃除は簡単かと思ったのですが、12群14枚まんべんなくカビが発生しているので清掃は挫折しました。性懲りもなく、4,500円とちょっとお高いのですが、光学良好のものを、譲って頂きました。メタルフード(後期型)は別に入手しました。


1964年の登場の、ペンタックス♪ペンタックス♪という連呼CMの主役は「黒い男」さんとおっしゃるそうす。
声の出演は、熊倉一雄さんで、最後の「・・・アサヒ ペンタックス・・・」の余韻が懐かしくてたまりません。

これはノベルティグッズ(カフスボタン)に登板したものです。左手にはアルプホルンではなく、超望遠1000mmF8を手持ちしているらしいです。



 [参考文献] 教典にしている研究本です
  Gerjan van Oosten :「The Ultimate ASAHI PENTAX screw mount guide , 1952-1977」UITGEVERIJ JANSZ(1999)




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 更新日 :2020・03・23.
 Product Code 362, 43620