シグマ ワイドラーマ 18mmF3.5 (1972)

 

戻る

 

 

ここはからは、興味のある方むけです。 ・ ・ ・ 長文で申し訳ありません。 ・ ・ ・ 退屈な文章です。

 シグマワイドラーマ18mmF3.5は昭和47年にコニカFTA用として購入したものです。このレンズはYSマウントシステムですから、マウント部を交換すると種々の一眼レフで使用できます。コニカFTAの寿命が時間の問題となってしまい、後に残ったこのレンズを後投のペンタクスに引き継げないものかと考えたのですが、既にYSマウントだけを買うことはできません。
 このことが、中古カメラ屋さん巡りを始めたそもそもの始まりだったのです。

 ペンタックス用のYSマウントのレンズ。ここならあるだろうと思って行ったのが、年配のオジさんたちで営業していた時代の、「がらくたや」です。やっぱりありました。シグマ ハイスピードズームmc80〜200mmF3.5のKマウントのものです。しかも、外観もボコボコでキズだらけ、何枚ものレンズにもカビが発生しており、写ることは写るだろうけどという程度の望み通りのレンズです。これならマウントだけが目的なので捨てても惜しくありません。8千円の値段が安い高いはべつにして買ってしまいました。

 シグマワイドラーマ18mmF3.5のほうは、フレアがかかって元来のコントラストが無くなっており、カラーバランスも変です。レンズの清掃のため修理に出しましたが、シグマからも修理専門会社からも不可能とあっさり返却されてしまいました。グリスの揮発したものが付いて曇ったものなので、絞りの前後のレンズ面を綿棒が届く範囲だけ清掃したのですが完全ではありません。
 マウントは素直に取り替えることはできず、絞り値をボディに伝達させるには、絞りリングにM2のタップを立てて細工する必要がありました。往年の性能を取り戻したとは云えませんが、引きの無い場所での撮影ではたまに使う機会があります。その後、サン光機製のSマウント用(非ES)のYSマウントとメーカ不明のTマウントの新品を買う機会がありました。

 1972年当時のシグマのカタログでは、シグマワイドラーマ18mmF3.5はミラーアップ不要と記載されています。超広角レンズがやっとレトロフォーカスの一眼レフ用のレンズに世代交代した昔の話です。このレンズが発売された時は、キャノンの17mmF4に次ぐ超広角レンズで、高校を卒業して浪人するとアルバイトに精を出してコニカFTAと共に買いました。解像力はたいしたことはありませんが、たいへん抜けがよく、周辺光量の落ち方も自然です。近接補正はしていないので17cmまで寄れますが、タル型の歪が顕著になります。また、四隅の流れはF8まで絞ればなんとか収まるという程度です。10郡12枚のレンズ構成でゴーストは盛大に出ます。今の常識では性能的に及第点は取れないでしょう。サイズに関しては、よく72mm径のフィルタ枠に収まっていると思いますが、当時はずいぶん大きく感じました。
 その後のカタログでは、明るさの表示がF3.2に変更になっていますが、大きなモデルチェンジはないようです。80年代の初めまで販売されていたようです。