作成:2002・05・11

SMCタクマーレンズの手入れ


 ここでは、最初にSMCタクマー135mmF3.5の絞り粘りの手入れをのための分解方法示します。
105mmF2.8、120mmF2.8、150mmF4に関しても応用することが出来ます。





1. 飾りリングを外します。

ゴムシート(私のは瓶のフタ開け)に適当なフタを包んで、飾りリングにあてがって回します。

潤滑油「アルファルーブ」を1/2滴ぐらいフィルタネジ溝に従って浸透させておくと簡単に開きます。後で潤滑油は拭き取ります。

フィルタ枠が変形して飾りリングが外せないレンズは対応出来ません。

2. フィルタ枠を外します。

3本の(+)ビス(SMC-タクマーの場合)を外します。
右の写真では2本しか見えてませんが矢印のビスです。

このビスは、たいてい接着剤で回り止めしてあります。
ここに入るドライバは、径2.0mmでないと入りません。径2.5mmだとフィルタネジ溝を傷つけます。

   レンズ清掃の場合は → こちら
   ↓ 絞り粘りの手入れ

3. ヘリコイド(距離環)を外します。

ワッシャ付きの3本の(+)ビス(SMC-タクマーの場合)を外します。
右の写真では1本しか見えてませんが矢印のビスです。

このビスは、接着剤で回り止めしてあります。
このビスを緩めると、ヘリコイドネジと距離環が離れるので、距離指標は調節しないと合わなくなります。
4. レンズホルダを外します。

ンズホルダは、ヘリコイド(距離環)を外さなくとも、レンズを繰り出せば外れます。
ここでは、この段階で外します。
5. 指標リングを外します。

3本の(−)ロックネジを緩めると指標リングが外れます。

あくまでも緩めるだけです。
6. 絞りリングを外します。

絞りリングはずらすだけで外れます。

実は、135mmF3.5は、絞りリングをつけたまま、マウントは外れるのですが ・・・。

外さない時は、バラけないよう、絞りリングをテープで固定しておきましょう。
7. スチールボールを確保します。

指標リングのクリック感は、このボールの働きです。無くすと悲しいことになります。
8. マウント部を取り外します。

3本の(+)皿ビス(SMC-タクマーの場合)を外すとマウント部とヘリコイド部は外れます。
マウント内では、軸方向の動きと周方向の動きを巧みに変換しています。
この動きがスムースでないと、絞りは粘ります。
よく、観察して、潤滑油を微量注油しておきます。


   ここからが本題です。


9. 絞りのユニットを外します。

3本の(+)皿ビスを外すと絞りのユニットは外れます。
右写真では2本しか見えてませんが矢印のビスです。
10. 絞りユニットを分解して手入れします。

3本の(+)皿ビスを外すと絞り羽根が外れます。



羽根に油が回っている場合は、一枚ずつ揮発油で洗います。

3本の(+)皿ビス(右写真の矢印のビス)を外すと絞りの駆動リングは、下の写真のようにバラバラになります。



潤滑油が古くなって粘っていると思います。
これが、絞りの粘りの正体ですので拭き取ります。
組立て前に注油なんてしないほうがいいと思います。


 


あとは、逆の手順で組み立て、3まで戻って距離環を仮止めします。
無限遠の調節の仕方は、遠くに見える煙突にピントを合せてでもいいのですが、手っ取り早い方法が紹介されています。
 → うりゃを☆さんのホームページ「くう・ねる・あそぶ」のレンズの無限遠調整方法をご参照ください。
   尚、今後、諸注意を追記して改訂されるとのことですので、楽しみにしてお待ちしましょう。

賢いですね。
で、3本のビスをそっと緩めて、距離環を無限遠に合せてビスを締めます。
私は、Sマウントレンズの場合、若干のオーバーインフが好みです。


 

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