先のESII の開放手順と共通個所が多くてより簡単です。
しかし、いちおう簡単にまとめておきます。
ボディの開放は、ご自分の責任です。
1.注 意
SPの構造を見て理解するためには、トップカバーと底板、前板を外す必要がありますが、その前にくどいようですが上記の ひとこと。 |
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ここに書いたようなボディの開放・復旧をするだけでも、部品は確実に痛みますし、部品を破損する場合もあります。 また、組立てても元に戻らない可能性もあります。ご自分でも試してみようとされる方は、ご自分の責任で行ってください。 ここに記載した「前板の取り外し」までが開放の範囲で、これ以上は分解の範囲でしょう。不必要な部品やコンポーネントの 取外しは避けます。 復旧手順は書きませんので、開放作業を進めながら、ノートなどに観察したことを記録して復旧手順を作成してください。 文書や、言葉ではわからない、ご自分の発見やノウハウが得られると思います。 僭越ついでですが、初心者の私だからこそ、気がついたアドバイスです。 自信がなかったら引き換えして組立ててみることです。改めてまたやってみましょう、前より先に進めると思います。 納期はないのですから、気がかりなことがあったり、体調が悪かったりと、気分が進まない時は手をつけないほうがよいで しょう。 面倒でも電池を入れっぱなしで作業しないように注意しましょう。ボタン電池でもパンクすると後始末が面倒です。 |
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2.張り革の撤去
前板を外す場合は底フタとトップカバーを外す前に張り革を剥がしておきます。底フタとトップカバーしか外さない場合は 不要です。 |
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作業内容 | 留意点 | |
(1) | セルフタイマーレバーの取り外し
SPの場合セルフタイマーレバーを押し下げてから、レバーを押さえている飾りネジ(カニ目ネジ)を緩めます。緩まない時は、カニ目の目の中にマジシャンオイルなど注入し、レバーを動かして滑りをよくしてから緩めるようにします。 カニ目ネジを外すとレバーは外れます。 |
→ (ーー;) 慎重に!
レバーを押さえている飾りネジは、真鍮のカニ目ネジで折損しやすいので注意が必要です。 スタートボタンは触れずに最後までそのままにしておきます。 |
(2) | 張り革を剥がす
爪で引っかいて剥がせますが、上品な作法としては、針などで隅から浮かしてプラスッチックのへらなどで剥がします。 ポリエステルシートなどに張って保管します。 |
粘着剤を塗りなおせば、剥がしても再使用が可能です。 新しいものをカットして使用できればなお可です。 (多少オリジナルと模様が異なりますが販売している店あり) セロテープでネジ部が丹念に目張りしてあります。 |
(3) | 清掃
ボディに残った張り革の粘着剤を清掃します。 |
張り革の粘着剤は、アルコールで溶ける(軟化する)ので、布類や綿棒にアルコールを付けて清掃します。 |
(4) | 手入れ(現品をみた上で判断)
後のことを考え、5本の前板の押さえネジは、この時緩めておきます。また、前板の押さえネジ等の手入れをします。 |
錆びている場合は、外して油の染みた布や綿棒でねじ山の手入れをしておきます。ネジは1本ずつ手入れして仮締めしておきます。尚、フランジバック調整のため、ワッシャを挟んでいますから前板を外す際は注意します。 |
3.底フタの開放
底フタの開けかたは何の説明もいらないと思います。 |
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作業内容 | 留意点 | |
(1) | 底フタの開放
2本ずつ2種類、計4本の(−)皿ネジを外して底フタを開けます。 |
とくにありません。 |
4.トップカバーの開放
トップカバーを外さないことには、開放したことになりません。最初の第一歩です。 また、軍幹部の清掃や、塗膜の筆さしでも、ノブやレバーが外せると効率的です。 |
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作業内容 | 留意点 | |
(1) | フィルムカウンターの取り外し
カバー、カウンターの目盛り板、台座の順に外します。 カバーは、頭なしの3本のロックビスで台座に固定されています。これらのビスを緩めるとカバーはとれます。 カウンターの目盛り板は、折損しやすい逆ネジで固定されていますので取り扱いは注意が必要です。 台座は環状の逆ネジのナットで止められています。回すためのひっかっかりはナット上部の溝だけなのでここをナメないよう適切な道具を使います。 |
→ (ーー;) 慎重に!
SPのバリエーションモデルは全く同じ構造で、部品も同じようですが、古いものは若干寸法が違うところもあります。 このナットをナメてしまうと一大事です。 (今回の場合、既に目盛り板のビスが折損しており、台座の固定ナットが硬く締めこまれてしまっていて、溝がナメていて、たいへん泣かされました) このナットは、シリアルNoの新しいものは逆ネジですが、古いものは順ネジのようです |
(2) | 巻き上げレバーの取り外し
レバーはスプリングワッシャで固定されています。ここも、SPのバリエーションモデルは全く同じ構造です。 スプリングワッシャを固定している3本のビスを外します。 スプリングワッシャを回してひっかかりを外すとレバーは外れます。 下に隙間をふさいで、ゴミの侵入を防ぐプラスチックのリングが、かぶせてあります。 |
→ (+_+) しんどい
スプリングワッシャを回して ・・・ 。これは丈夫な爪でもたいへんです。かといって金属の道具では、ワッシャをつぶしたりキズをつけてしまいます。 (楊子や割り箸など削って突っついているのですが、なにかよい道具はないものか思案してます) |
(3) | シャッターダイアルの取り外し
シャッターダイアルは上部のカニ目ネジを外すと、フィルム感度ダイアル、スプリングと共にとれます。 |
ツマミの横のネジはダイアルの位置決め用なので、緩める必要はありません。 |
(4) | 巻き上げノブの取り外し
中から軸を固定して、巻き戻し方向を示す矢印とは逆に回せば外れます。 |
SPのバリエーションモデルは全く同じ構造です。他のカメラでもよく採用されているオーソドックスな構造です。 |
(5) | フィルムダイアルの取り外し
中央のカニ目穴のついた円盤がナットになっており、これを外すとスプリングやその下のワッシャ板が外れます。 |
トップカバーの小穴が出てきますが、これは露出計の調整用の可変抵抗を回す穴です。慣れるとようじなどで回すことができます。 |
(6) | トップカバーの取り外し
トップカバー上の巻き上げ軸側に残った1本のビスを外すとトップカバーは外せます。 トップカバーを外すしたら、シャターボタンの中のレリーズ用の芯を回収します。 |
シャターボタンの中の芯はきつい場合も緩い場合もあります。いずれにしろ、この時回収して保管しておけば紛失の心配はありません。 |
5.前板の取り外し
セルフタイマユニットへの納まりや、動作を見て注油するためには前板の取り外しが必要です。 ミラーボックスの構造も判ります。 |
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作業内容 | 留意点 | |
(1) | 前板の取り外し
5本の前板の押さえネジは、予め緩めてあれば取り外しは容易です。 |
このネジは保管しておきます。 |
(2) | フランジバック調整用ワッシャの確保
ボディと前板の間に挟んであったワッシャは、その場所と枚数がきちんと判るよう保管します。 |
→ (・_・;)注意!
このワッシャは、(裏表もわかるよう色を変えたり、マークを変えたりして)サインペンでマークして、メモを残してして保管しておきます。 |
(3) | セルフタイマーの継ぎ手(連結)部品の確保
セルフタイマーのレバー類は前板に付いていて、機内のセルフタイマのユニットをとの間は継ぎ手が挟んであるので回収します。 |
この継ぎ手は固定されていませんので、すぐに確保して保管しておきます。 |
6.プリズムの取り外し(おまけなので要点のみ)
SPのバリエーションモデルは、ファインダーブロックが外せたからといって、ファインダースクリーンの清掃は簡単ではありません。 鏡面の腐食したプリズムを交換したい時などのやむ得ない場合に限ります。 |
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作業内容 | 留意点 | |
(1) | リード線を外す
露出計基板(巻き戻し軸側)とシャッター速度・フィルム感度設定用擦動抵抗基板(巻き上げ軸側)を渡る2本のリード線を外します。 |
半田ゴテを暖めて巻き上げ軸側を外すのが楽です。 |
(2) | ファインダーブロックの取外し
3本のビスを外します。 ファインダーブロックが外せます。 |
ビスなどを機内に落とさぬように注意が必要です。3本とも同じ種類です。ファインダーブロックを外すには、シャッター棚板が引っ掛かって知恵の輪的ですので無理をしないでください。 |
(3) | プリズムのカバー取外し
スプリングバンドを外します。 樹脂製のプリズムカバーが取れます。 |
スプリングバンドは、ファインダーブロックをボディから降ろしてから外します。 |
7.ミラーボックスの取り外し(おまけなので要点のみ)
開放の範疇を逸脱したついでに、ES/ESIIのミラーボックスの外し方を記載します。 巻き上げた状態でなく、レリーズされた状態になっていることを確認しておいてください。 さらに、リスクは増大しますので、やむ得ない場合に限ります。 |
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作業内容 | 留意点 | |
(1) | リード線を外す
シンクロターミナル等のリード線を外します。 |
半田ゴテを暖めて外します。 |
(2) | ミラー昇降のスプリングを外す
ミラー昇降のスプリングが低部で引っ掛けて連結しているので、これを外します。 |
200万番からのSPは、スプリングが「く」の字に曲げ癖が付けてあり、これに従って曲げると容易に外れます。 |
(3) | 固定ビスを外す
ファインダーブロックのアイピースの元にある2本のビスと、底部前面の2本のビスを外します。 ミラーボックスが取れます。 |
アイピースの元にある2本のビスは位置決め用で、実際には、底部前面の2本のビスを外せばミラーボックスは外せます。 復旧の際に備えて、レリーズシャフトとどのようにリンクしているかを確認しておきます。 |
やはり、フィルムカウンターの台座を固定しているナット回すための工具は、カニ目レンチなどで代用するのではなく、作ることをお奨めします。工具鋼のビットの加工はたいへんですが、100円ショップで売っているドライバセットのビットは炭素鋼なので、比較的容易に削れます。ただし、手やすりは、ダイヤモンドヤスリでないとたいへんです。
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