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貼り革の復旧(再使用)
<SPのバリエーションモデル共通>


オリジナルの復旧方法とは異なります

 1.はじめに


雑誌の記事によると、大手の修理屋さんは、予め交換するシール糊付きの貼り革を用意していて効率的に作業するそうですから、貼り革の再使用などには悩みません。

古いペンタックスの張り革は、ゴム糊でボディに貼り付けられています。ありがたいことに、このゴム糊は、35年経ったSPでも硬化しておらず、粘着力が残っていて端を浮かせば、張り革を傷めることなく容易に剥がすことが可能でした。ただし、一度剥がして空気に触れると、乾きだして粘着力が低下します。

不幸にしてゴム糊が硬化して、貼り革ごとぱりぱりになって、ゴミになってしまった場合は、似た感じの張り革を買ってカットして使用することになります。大抵は、幸いにもというケースだと思いますので、ここでは、うまく貼り革が剥がせて再使用するものとして、張り革の復旧方法をご紹介します。

 2.作業の手順

[準備]
剥がした貼り革は、私はたまたまOHPシート(ポリエステルフィルム)を台紙にして貼って保管しています。剥がしたらすぐに糊を落としてしまっても良いのですが、復旧する時どう貼ってよいか考えていなかったので、とりあえず何かに貼って取っておかねばと思ったのです。剥がした貼り革が4台分、5台分となると、台紙にサインペンで判別できるようメモしておくことが出来ます。
どうやって復旧するかですが、まず、市販のゴム糊が、オリジナルのように、30年経ってもパリパリにならないものなのかは不明です。また、ゴム糊は一旦伸ばしたら、ある程度、乾かしてから貼るのがコツですが、オリジナルのように復旧できるか試してはみました。しかし、私は、まだ修行が必要と判断しました。ゴム糊で貼るのは、この2点がネックなので、両面テープで張ってしまうことにしました。

[清掃]
再使用にあたっては、古いゴム糊を剥がさなければなりませんが、大抵は指でしごけば剥がれますし、アルコールで湿らせれば、あらかたはケシゴムカスのようになってとれます。どうしても取れない薄く固まった部分は、実害がありませんので適当なところで諦めます。
次に、中性洗剤で水洗いをします。このときうっかり冷たい水道水を使うと、硬くなって割れが入ったりしますので、微温水が理想です。ブラッシングする場合は、歯ブラシのように硬いものは避けます。
ゆすいで、水気を取って終了です。

[テープ貼り]
幅広の両面テープで、幅が足りるのを捜したのですが、ほんのちょっと不足です。ここは、無理をせず、2分割にすることにしました。こうすれば、剥離紙を剥がすのもたいへん楽です。
余白のシール糊がべとついて作業のじゃまなので、ラップを上からかけてから、定規を当てて、余白をカッターやクラフトナイフで切ります。テープがはみ出さないよう切るには、定規と刃の当て方に注意が必要です。ターミナル穴の部分も、下の剥離紙まで無理に切り抜こうとせず、粘着紙だけカットするつもりで切れば、貼り革を傷つける失敗はせずにできると思います。

[貼り付け]
何の目的か判りませんが、ESやESII の前板には1つ穴があいていて、この穴をホールキャップという銅の円盤で塞いでから、貼り革が貼ってあります。また、古いSPではこのような穴はありませんでしたが、前板を取り付けるビス穴は、丹念にセロテープのようなシールで目張りしてから張り革が貼ってありました。今回の場合、このセロテープの目張りは省略できます。
ホールキャップを戻して、ボデイ側の最後の清掃をして、後の効率を考えればセルフタイマをチャージしてレバーを外します。穴位置を合わせて、水平になるよう、慎重に貼ります。まんべんなく、気泡をぬくように押し付けます。
ルーペで見て、万一、テープの余白がはみ出している所があったら、ピッキングツール(針)で突っついて取り去ります。


このSPを復旧した時の写真だけで、説明は不要でしょう。この両面テープの銘柄が、ゴム糊に近いグリップ感になると思います。

[使用した両面テープの銘柄]
 メーカー
 ニチバン株式会社
 品名
 紙両面テープ「ナイスタック NW-40」
 仕様
 40mm×10m
 価格
 実売価格 7〜800円の間

 

[完  成]
セルフタイマーのレバーを取り付けて、スタートさせて完成です。きれいにすると、握られていた部分のテカリがかえって気になりますが、カビの防止のためにはやむ得ないと思います。なにか、しっとりさせるケミカルなど良い方法がないかご存知の方は、ぜひご教示頂きたいところです。


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 作成日 : 2001・01・18.
 更新日 : 2001・01・18.