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モルトプレンの交換
<SPのバリエーションモデル共通>


 1.作業


ES/ESII でも、モルトプレンは、裏フタの遮光とミラーのクッションの2箇所だけでなく、各部に使われています。
しかし、この2箇所は、ユーザがメインテナンスとして交換することは不可能ではありません。
この2箇所のモルトプレン交換に関して、たいしたことではありませんが、私の採っている方法を開陳します。

この他に、ES/ESII では、遮光目的で前板の下部に5cm程度のモルトプンが使われています。また、ミラーの開口部にも小さなものが幾つか使われています。また、接眼部のレンズもクッションとしてごく小さなものが挟んであります。しかし、これらは、ボディを分解しなければ関係のないものですし、分解してしまえば、交換も容易なので、ここでは省略します。


 2.作業
裏フタ遮光用

ミラーのクッション用

[ はじめに ]
フィルムゲートは、シャッター幕に万一ダメージを与えないないようガードするために、画用紙などでマスクを作りテープで仮止めして養生しておきましょう。撤去したモルトプレンのゴミの進入も防ぎます。

[ はじめに ]
本当は、前板を外すと作業しやすいのですが、モルトプレンを張り替えだけで、前板を外すのは愚です。小さなSマウントでも、マウント開口から作業します ・・・とトライしてみました。
安全のためには、前板だけでなく、ファインダーも外して作業したほうがよいようです。

[ 撤 去 ]
ES/ESII のモルトプレンは、シール糊ではなくゴム糊で付けてあるのです。ゴム糊は、アルコールに溶けませんが、膨潤して剥がれ易くなります。
まず、ようじや竹串などで、ボロボロ、ベトベトになった古いモルトプレンを撤去します。
だいたい取れたら、ティッシュペーパーで作ったこより(紙縒り)にアルコールをふくませ、モルトプレンの溝に、ようじで押し込みます。溝の中だけ、アルコールでびちょびちょになるぐらいにしみ込ませたこよりを使うところがポイントです。シャーター幕に付いたら一大事です。
しばらくそのままにしてから、厚紙(例えば、テッシュペーパーの箱を切って準備)の端で溝をこすります。また、アルコール浸けのこよりをつめて ・・・と同じことをします。
おそらく、2〜3回で、モルトプレンも糊もあらかた撤去できると思います。
残ったものが気になるなら、ようじに脱脂綿やティッシュペーパーを巻きつけて、小さな綿棒を作って、アルコールで残った糊を丹念に取ります。ゴム糊の残渣は針などで突っついて取ってみます。

裏フタの縁にも、ベトベトのモルトプレンがこびりついていると思います。こちらは、アルコールをしみ込ませた紙やティッシュペーパー、布で丁寧にふき取ります。一度で済まそうと力をこめて拭くと塗料まではがれたりするので気長に拭きましょう。


[ 撤 去 ]
残っているモルトプレンは、テッシュペーパーでつまんで取り除きます。そして、アルコールを含ませた綿棒で、清掃します。
気にならなければ、そこまででよいのですが、貼り付け部分が、残ったゴム糊で凸凹していて貼りづらいなどの問題がある生ずる場合があります。
そのゴム糊は、アルコールを含ませたこよりをピンセットでのせて、綿棒で押さえます。(アルコールが垂れないように注意)
しばらくそのままにして、ゴム糊を浮かせて、剥がします。

ファインダースクリーン等にダメージを与える危険があるので、「ジャンク品」等でトレーニングが出来れば良いのですが ・・・。

[ 失敗談 ]
ニコン製品で経験したのですが無水アルコールがスクリーン板にかかると表面が溶けるものがあります。
アサヒの場合は判らないのですが、気をつけるに越したことはありません ・・・ と書いたその矢先やってしまいました
ESII のスクリーンは、溶けるだけではありません。中心に向かってたくさんの亀裂が入ります。

フレネルレンズとマイクロプリズム付きのコンデンサレンズと枠板2枚を、部品取りにしたESII から外して付け替えたのですが、これにはへこみました。

[ 貼り付け ]
サイズは1.5mm厚さのものを、幅1.2mmに切って使っています。
下の溝は1本ですが、上の溝は、フィルムカウンターのリセットをする押し込みがあるので、長短2本に切って使います。

[ モルトプレンと糊 ]
1)糊なしモルトプレンのみ
頻繁に交換するなら、シール糊の付いていないモルトプレンを使い、挟んでおくだけにしたほうが好都合です。この場合は、モルトプレンは少し幅広に裁断するとよいでしょう。

2)糊なしモルトプレン+ゴム糊
オリジナルに忠実に再現するなら、ゴム糊を薄めて、溝に塗って貼り付けても良いでしょう。

3)糊なしモルトプレン+両面テープ
これが素人には決定打となるでしょうが、きれいに貼るには、幅1.0mmに切った両面テープを先に貼って、糊なしのモルトプレンを詰め込むようにします。
糊なしのモルトプレンの場合は、詰め込むときの引っ張り加減で詰め込む量の調節が出来ます。
両面テープは適当な剥離紙に貼ってから、カッターで切ります。
糊なしのモルトプレンは、ローラーカッターで切るとうまく切れます。

4)シール糊つきモルトプレン
最初は不精して、シール糊付を使いました。おっと、こりゃたいへん ・・・うまく貼れません。2時間もかけてなんとか貼りましたが、それに懲りて、現在は糊なしのモルトプレンにしています。

将来、これを剥がす時はどうするかというと、アルコールの代わりにシール剥がし液(アセトン?)を使うつもりです。


[ 貼り付け ]
サイズは2〜3mm厚さのものを、幅2.5mmに切って使っています。長さは35mmです。
(糊なしは、2.5mm厚さのものを、幅2〜3mmに切っても同じ)

オリジナルにこだわるなら、ゴム糊を塗って貼り付けます。
しかし、後々のことを考えれば、今風のシール糊付に限ります。
張ってあったところに置いて、そっと押し付けます。シャッターを切ってみて、はずれたりしなければ成功です。





アルコールが、いつのまにか垂れていて、フレネルレンズとマイクロプリズム付きのコンデンサレンズとをダメにしてしまいました。
問題のESII 、部品取りにしたESII とも、ファインダーを外すと、劣化した緩衝材や真鍮の緑青サビだらけでゴキブリの巣のようでした。アサヒの一眼レフで発生する、水平方向に現れる、プリズム腐食は、この劣化した緩衝材が原因であることは明らかです。

 

 3.備考

モルトプレンはシート状で売られています。馴れていれば、これを、うまく千切りにすることは簡単なのですが、めったにやらない作業だとなかなか使えるものが得られません。

[ 道 具 ]
カッター、カッティグマット、ノギス、定規2枚と各種厚みの厚紙かプラ板の小片など。

[ 切り方 ]
下図のように、定規の両端にこのプラ板小片を両面テープで貼り付けて、出っ張り具合で好みの厚みを決めるのです。このプラ片に、別の定規を当てて位置を決めます。あとは、カッターで切るだけです。
ローラーカッターを使う場合は、定規の押し付け方や刃の当て方で、幅が変わりますので、感をつかむには多少練習が必要です。

おそまつでした。

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作成日 : 2000・11・05.
更新日 : 2001・04・29.