作成:2021・01・11
お断り:恐縮ですが、個人的な感想と独断です。
6.SMCタクマー 105mmF2.8 とSMCタクマー 120mmF2.8
![]() SMCタクマー 105mmF2.8 と SMCタクマー 120mmF2.8 当時の新製品案内 どんな意図で発売するのか記載されています 初期のSマウントの105mmF2.8には、4群4枚構成の前期型タクマー 105mmF2.8とオートタクマー 105mmF2.8があります。1961年に最後群を貼り合わせレンズに変更した4群5枚構成の後期型タクマー 105mmF2.8は、1963年に登場のスーパータクマー 105mmF2.8となり、1964年の絞りリングの意匠変更を経て、1971年にSMCタクマー 105mmF2.8となりました。レンズ構成の変遷はスーパータクマー 135mmF3.5とは逆の歩みです。 よく似た4群5枚構成のSMCタクマー 120mmF2.8は、1972年登場と新しいので、スーパータクマー銘のレンズはありません。これらのレンズは、エルノスタータイプに分類されます。 世間の評判は、どちらのタクマーレンズも、シャープネスは鮮明、とろけるようなボケで、素直な描写が高評価です。ただし、SMCタクマー 105mmF2.8は、少し絞ってシャープネスが改善するが、新しいSMCタクマー 120mmF2.8は開放からシャープだと言われています。 確かに、フィルムカメラでの印象でも、SMC Takumar 105mm F2.8は、開放でもうすこしクリアだったらと思うことがありました。SMCタクマー 120mmF2.8は、質感の描写がとにかく素晴らしいとので、お気に入りのタクマーレンズでした。 |
|
SMCタクマー 105mmF2.8の試写 |
|
![]() SMCタクマー 105mmF2.8 試写 |
![]() ピクセル等倍画像 (部分) 柔らかい絵柄にはタクマーレンズらしい実力を発揮します。開放なので丸ボケです。細かな被写体でも二線ボケは見つかりません。 質感描写がなかなか良くα7RII でもそこそこのシャープネスです。実は、若干の倍率色収差があるようです。必要なら画像ソフトで補正すると締まってさらにシャープになります。 絞れば、画質はそれなりに向上します。元をたどれば、1961年登場のレンズですから、フィルムカメラ用のレンズとしては致し方ないかと思います。 |
![]() 植毛紙の効果確認(部分) |
植毛紙の効果で、絞り開放で逆光でもフレアはあまり発生しないようになります。
草の穂を逆光で輝かせただけではなく、車の屋根の太陽の反射も手前に入れてと、、、フードも付けず、ちょっと無謀かも。 肉眼では眩しかったのですが、サングラスをかけたみたいな風景になってしまい残念です。 |
|
|
SMCタクマー 120mmF2.8の試写 |
|
![]() SMCタクマー 120mmF2.8 試写 |
|
![]() ピクセル等倍画像 (部分) |
元々コントラストと彩度もよく、素晴らしい質感の描写をするお気に入りのレンズでした。α7RII で撮影してみると、レンズはそこそこ綺麗なのに、なぜかヌケが思うようじゃない。迷わず植毛紙を貼りました。
このレンズも、植毛紙の効果は抜群で、以前にも増して彩度とアウトフォーカス部の美しさが向上して元気になりました。 ごく僅かですが倍率色収差が確認できますが、画像ソフトで補正してみても、こちらのレンズは画質やシャープネスは変化しませんでした。 |
SMCタクマー 105mm F2.8と120mmF2.8は、同じようなレンズ構成ですが、少し鏡胴が長い120mmF2.8には、小さなリング状のフレアカッターが設けられています。どちらのレンズにもカビやクモリもなく綺麗なのに、なぜかヌケが思うようじゃないときがありました。そこは植毛紙。コントラストと彩度を少し上げればいいのですが、どちらにも植毛紙を貼ってみた次第です。
どちらのレンズもタクマーレンズの資質を素直に受け継いでいるというのが感想です。使ってみても、新しい設計のSMCタクマー 120mmF2.8が、わずかながらも性能が良いと感じます。 α7RII にLM-EA7を介して使用する場合、LM-EA7の繰り出し量だけでは、焦点距離105mmに対して最短撮影距離は3.0m程度、120mmでは3.8m程度とガマンの限界となります。AFで合うところをやみくもに探すのは賢明ではなく、良く見えるところの少し先までヘリコイドを回してからAFでピントを合わせます。また、クローズアップレンズを付けたつもりで、レンズ側を∞から目測で繰り出しておくことでも、多少は使い勝手が改善されます。 いずれのレンズも、室内で開放からF8程度まで半押しAFでもピント合わせできます。ともに絞り羽根の枚数は6枚で、フィルタ径は49mmで程よい大きさです。金属鏡胴の質感の良さも好感されているようです。 このα7RII (FW Ver.4.00)とLM-EA7(FW Ver.6.0)での動作なので、記載内容が再現しない場合はご容赦ください。このレンズを取付ける中間アダプターは、Sマウントレンズなので YIYO M42-Mマウントアダプターを使用しています。 |